2016年2月7日日曜日
平野弥の最新直輸入品を主体としたワイン会(九州佐賀よりBar Tetu 下村さんを囲んで)
九州佐賀の「Bar Tetu」の下村さんを囲んだ試飲会が開催された。下村さんは名店スタア・バー・ギンザの岸氏のもとで修行されたトップクラスのバーテンダーで、鋭い感性とワインにたいする審美眼の持ち主ということです。
daniela Vigne & toni Söllner Dani Rose vom Zweigelt Weingut Soellner
(ダーニ ロゼ・フォム・ツヴァィゲルト セルナー)
なぜか安売りされていたというオーストリアの自然派ワインをMRさんが持ち込まれていたので少しいただく。香りは甘さが主体で中域のトーンが小さく丸くあり、口に入れた瞬間にゾゾゾっとした。口の中で砂浜の波が少し荒れながら押し寄せてくるが、その波はトゲトゲしくえぐみのようなものを伴って舌に食い込んでくる。後味は酸を取り除いたようなコッテリとした甘味がある。酸味はミネラルと共に少量で軽さがあり果実味はかなり多いので、本来のポテンシャルであればパっと香りや味わいが明るく広がったあとに果実味がトロリとじわじわくるのであろうと思える味わい。
パンとテリーヌ
ミルク味のパン、金陵の皮付き豚と蒸し若鶏
ここからエスプリディヴァンが輸入したシャンパーニュです。
Andre Robert Volupte NV
(アンドレ・ロベール ヴォリュプテ)
もわんとした香り。素朴な原風景を思わせる香りで、杏子や干し柿など。味わいはぼんやりしている。甘味が強め、口の前方でジュースにした果実味があり、酸味が周囲にいる。ふんわりとしたやさしい味わいはアンドレ・ロベールの特徴なので個性が出ており、落ち着けばもっと良くなりそう。
Andre Robert Seduction 2007
(アンドレ・ロベール セデュクション)
現地で試飲したときと比べて味わいが薄い。果実の色々な要素を急にぎゅっと集めたようで少し違和感を感じる。おもちゃ箱に柔らかい縫いぐるみや硬いレゴなどを慌てて無理に箱の中に詰め込んだような感覚で、そのものが立方体を形成しているのではなく、押し込められて広がろうにも広がらず混沌としている。
このワイン会の直前に試した飲む前の保管温度と直前の冷やし方で差が出ることはわかったので、今度は冷やさずにセラー温度のまま追加で1本された。柔らかく、全体がふんわりした一体感ある空間が広がる味わい。バランスがよく美味しく飲める。
1本目は大きなワインクーラーに水を張り保冷剤を入れた環境にボトルは入っていたが、過去のお試しからもやはり急に冷やすとバランスを崩し、特に泡はそれが顕著に現れるように感じる。ただ、常温でも現地のような押し寄せる力強い波や意思を感じる強さはなく、かえってこのワインは飲みやすい状態にある。平野さんは現地試飲でアマレット、アーモンドを取っていたそうですがこれにはない。いまでも日本になかったぐらい状態がよくおいしいですが、本来のポテンシャルを取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうです。
Andre Robert Grand Cru Blanc de Blancs Réserve Brut NV
(アンドレ・ロベール ブラン・ド・ブラン・レゼルヴァ)
1本目はワインクーラーで冷やしたもので香り味わいともにすごく荒れている。乳酸発酵の香りもあり、時間が経つと苦味が強くなり、アルコールとリキュールが主張してバランスが崩れる。
こちらもセラー温度品を追加。柔らかくやさしい味わい。マンゴーや和な香りもあり、一体感ある。泡は荒いがオレンジにオレンジピールの風味がのり、それが長く余韻まで続く。セラー温度そのままの方がバランスが取れていて、特にこの生産者の個性とも合っていておいしい。
Andre Robert Le Mesnil Grand Cru Millesime 2008
(アンドレ・ロベール ル・メニル グラン・クリュ ミレジム)
このボトルからはセラー温度での提供に切り替え。泡はポツポツと発つように少し粗い。味わいは輪郭がしっかりとして、幅が5センチ、高さ3センチよ長方形である。その長方形の中は安定した均一な分布で、その長方形全体が中核となっている。やさしく、柔らかくておいしい。
Alexandre Penet Millesime Extra Brut 2006
(アレクサンドル・プネ ミレジム・エクストラ・ブリュット)
おいしいが泡が粗い。かなり荒れている。繊細な和の世界がプネの特長なのでこれだともったいない。
2本目は前のロットだそうですがさらに荒れている。2週間前に倉庫から運んだものです。これからすると、船便ではなく、直前の国内移動がバランスに大きく関わりそうです。
Waris Hubert Millesime Grand cru Blanc de Blancs 2009
(ワリ・ユベール ミレジム グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン)
泡が粗く苦味がある。一見あっさりした印象を受けるが果実はとろっとした濃厚なものでユベールらしい。抜栓した状態で冷やすと、さらにユベールらしさが出て、濃い味わいを楽しめる。
※輸入元エスプリディヴァンで現地発音に近づけるため、ワリス・ユベールとしていた生産者名はワリ・ユベールに変更されました。
Andre Robert Le Mesnil Grand Cru Millesime 2006
(アンドレ・ロベール ル・メニル グラン・クリュ ミレジム)
クリーム、果実、ハーブが香る。蜜の風味でコクがある。旨味が豊富でオレンジの風味が深く入る。
パテとパン、生ハムやサラミ各種
町村農場特製 新鮮純良バター、サレールAOC (販売 久田)
バターはカルピスバターとタイプは少し違うがそれに匹敵する軽さと旨味があっておいしい。チーズは熟れた南国フルーツ、チェリー、イチゴ、オレンジ、ベリーの味わいなどがある驚きの味わいでとてもおいしい。
パテは2種類
ここからはエスプリデュヴァン輸入のアルザスワインです。
Schoffit Alsace Riesling Lieu-dit Harth Tradition 2012
(ショフィット アルザス リースリング リューディー・アルト トラディション)
オイリーで典型的なリースリングらしい香り。紅茶の風味がある。タイヤやゴムの香りにグリーンな甘味がある。味は混沌として重心が低め。エゴンミュラーのカビネットクラス
Schoffit Alsace Gewurztraminer Lieu-dit Harth Cuvee Caroline 2013
(ショフィット アルザス ゲヴュルツトラミネール キュヴェ・カロリン)
マスカットの香りにライチがすごく香り放つ。甘苦のゲヴェルツらしい味わい。特に戻り香にゲヴェルツらしさがある。ぼんやりとした甘さもある。第3国のゲヴェルツもとても華やかでよいですが、それらとは一線を画す品がある。同じ華やかさでも香水や彩りのパーティと、紳士淑女が正装で集まる気品ある集まりとの違いがある。
Zind-Humbrecht Riesling Rangen de Thann 2000
(ツィント フンブレヒト リースリング ランゲン・ド・タン)
OMさん提供のランゲン・ド・タン。酒石がコルクに沢山ついている。リースリングのオイリーな香り。熱の影響で色が濃く、香りや味に残糖が強い。国内の流通品は難しいです。
ベーコン、椎茸系の風味が爆発のキッシュロレーヌ、パスタ
餃子、豆とトマトの煮込み
Jayer-Gilles Echezeaux du Dessus Grand Cru 2011
(ジャイエ・ジル エシェゾー・デュ・ドゥスー グラン・クリュ)
ぎゅっと果実が凝縮している。新樽の香りや味わい。ハムなどの燻製香や枝の香り、ジルらしい塩がはっきりとあり、甲殻類もある風味。メオ・カミュゼのような造りこんだ感じを受けるがおいしい。二世代前のドライな味わい。
Claude Dugat Gevrey Chambertin 2012
(クロード・デュガ ジュヴレ・シャンベルタン)
ぶどうの発酵過程で低温浸漬をしたと言われるワインに感じる風味。枯れた風味、紅茶の枯れた感じと漬けおいたような風味。ショコラ、黄色い花、塩、甲殻類、シソの風味。隣家がしっかりとしていて、風味は和風。
Schoffit Alsace Gewurzttraminer Grand Cru Rangen Clos Saint-Theobald Vendanges Tardives 2011
(ショフィット アルザス・ゲヴュルツトラミネール グラン・クリュ ランゲン“クロ・サン・テオバール” ヴァンタンジュ・タルティヴ)
ゲヴェルツのライチとショフィットの風味を両方とも感じられる。紅茶に糖分を加わたような味わい。ガチッとした黒さのある味わいがぎゅっと詰まっている。
パウンドケーキ?、堂島ロール
Schoffit Alsace Gewurzttraminer Grand Cru Rangen Clos Saint-Theobald Selection de Grains Nobles 2006
(ショフィット アルザス・ゲヴュルツトラミネール グラン・クリュ ランゲン“クロ・サン・テオバール” 500ml)
アプリコット、紅茶の濃さ、酸味が表面から香る。味わいもアプリコットの甘さがある。甘くて輪郭が緩い。
佐賀の小城羊羹
本日のラインナップ
12名で17本!
色々と試せたり、ワイン、料理とも美味しく楽しい会でした。皆様ごちそうさまでした。
ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休