2015年12月23日水曜日

新着直輸入シャンパーニュ試飲会 メゾン・プネ @平野弥


エスプリデュヴァン輸入のシャンパーニュ第一弾 メゾン・プネの通関が切れ、試飲会が企画された。場所は平野弥さんのテラスです。メゾン・プネには1ヶ月前に訪問していますが、全種類は試飲できてないので楽しみ。


買いぶどうで作るAlexandre Penet(アレクサンドル・プネ)が4種類、自社畑のぶどうで作るPenet Chardonnet(プネ・シャルドネ)が6種類。
以下、参加者からセパージュなどに興味がある方がいたので、当主からもらったテクニカルデータも書き加えておきます。


Alexandre Penet Extra Brut NV(5000)
(アレクサンドル・プネ エクストラ・ブリュット)
透明感あるいい香り。グリーンのハーブにクリーム、それに柑橘果実、ライムなどのグリーンが上品に混じる。すっきりした口当たりで舌に重みなく、それでもズドーンっというアタックがくる。アタックの後、そこからキレイに球体状に味わいが膨らむ。後半から余韻にかけて栗の風味ものる。時間が経つと果実味の甘味が出てくる。舌からかなり離れた口の中央上側あたりへ薄く平面状に味わいが広がる。味わいの流れとしてエネルギーが降りてきて、球体状に世界や視野が広がり、そこには地上を感じさせない上方にある水平面の層があり、それに世界観や空間を感じる。

全種類飲んでから2本目を再度飲んでもおいしく飲める。戻れるのは本当にクオリティが高いという証で、1本目よりキラキラしてギュッとした強さがあり、塩味が効き、コの字型を下に伏せた形の骨格がある。

テクニカルデータ
地域:モンターニュ・ド・ランスと他の地域
ぶどう品種:ピノ・ノワール 30%、ピノ・ムニエ 30%、シャルドネ 40%
熟成期間:澱がある状態で24ヶ月以上
ドサージュ:6 g/l以下



Alexandre Penet Rose Extra Brut NV(6000)
(アレクサンドル・プネ ロゼ・エクストラ・ブリュット)
赤に黄色が入り、輝きのある透明感がある色合いのロゼ。クランベリーや果実のコクを感じさせる香りで、甘さがあり、ライムなどのグリーン、パン、粘度を感じさせる香り。味わいも香りと同様に透明感があり、透明さを持ちながらリッチさもある。口内に流れていくと、味わいが「ふぁっ」っと昇華する。その味わいが膨らみ上顎に少し圧力を与える。これも前者のExtra Brutと同じく舌から浮いた口の中央あたりに平面へ味わいが広がり、上顎の圧力で天井が見えるので地上の空間に感じる。ピノグラスにすると、ミネラルと酸の層がはっきりとする。

このロゼ色はペルドリの目というそうです。過去にもペルドリの話を聞いたことがあり調べてみましたが、例えばフランス語版のWikipediaでペルドリなどの写真をみてもピンときません。本物をみれば納得できるのかもしれません。

テクニカルデータ
地域:モンターニュ・ド・ランスと他の地域
ぶどう品種:ピノ・ノワール 35%、ピノ・ムニエ 25%、シャルドネ 40%
熟成期間:澱がある状態で24ヶ月以上
ドサージュ:6 g/l以下



Alexandre Penet Grand Cru Brut Nature NV(6600)
(アレクサンドル・プネ グラン・クリュ・ブリュット・ナチュール)
シャンパーニュらしいクリーミーさのある香り。これも香りに同じくライムがある。味わいは中心の極小さい点から逆ツリー上に湧き上がり、穀物の風味も混じった果実に膨らみと厚みがある。生牡蠣のクリーミーさとラズベリーやクランベリーの赤果実がある。まさにシャンパーニュらしい風格をもち、いい感じで味がほわんほわんと同心円状の波動を持ちながら膨らんでいく。味わいのトーンはかなり上層にいて、その平面状の層は厚みがあり、層全体から同一分布で上方へと味わいが湧き上がっていく。ピノグラスにすると、ミネラルがはっきりし、味わいはやわらかくなった。

テクニカルデータ
地域:ボージー・
グランクリュ(モンターニュ・ド・ランス)
ぶどう品種:ピノ・ノワール 70%、シャルドネ 30%
熟成期間:澱がある状態で4年以上
ドサージュ: 0 g/l


これ以降は最初からピノグラスを使用


Alexandre Penet Millesime Extra Brut 2006(6600)
(アレクサンドル・プネ ミレジム・エクストラ・ブリュット)
すごいいい香り。グワっと湧き上がってくる。香りの要素はいままでのものと同じで、クリーミーさと牡蠣にバター、魚介が加わる。要素は似ているが大きさや広がりが異なり、中心ではなく、丸く球体で密度は均一で薄めだが大きくいる。その後にどんどんと香りが濃くなっていき、栗や黄色い花の香りが現れる。味わいは一体感あり、球体。味わいにコクがあり、粘度をもった波なので先端は丸い状態で、力強く沸きあがる力を巻き込んで推力にしている。その後、ズンズンと進んでいくと粘度が下がっていき、水平方向へスーっと収束しながらキレイに流れていき、その周辺には酸味が星のようにキラキラと瞬く。これは前の3つと異なり、浮いた空間が1m程度の球体として均一密度であり、そことは別に基底としてミネラルが水平方向へキレイにパーンっと張っている。

テクニカルデータ
地域:モンターニュ・ド・ランス
ぶどう品種:シャルドネ 50%、ピノ・ノワール 20%、ピノ・ムニエ 30%
熟成期間:7年から8年
ドサージュ:6 g/l以下
※2014年9月からリリース開始



Penet Chardonnet Grand Cru Terroir Escence NV(8500)
(プネ・シャルドネ グラン・クリュ・テロワール・エソンス)
圧倒的な存在感。そこには意思がしっかりと感じられる。ミネラル、酸が真っ直ぐキレイに1本線で発つ。香りの要素は多く、それがバランスよくある状態でまさに一体感という言葉が相応しい。口に入れるとやわらかく、一体感ある味わいで、ぼわんっと均一な密度の球体が現れる。口いっぱいに膨らみ広がるのに口内表面に圧力や刺激がなく、かつ味わいに分布がない。そのため、訴えてくるのではなく、こちらから寄り添う必要もなる、ほわんとしたそこにあるという世界観ある感覚。味わいという霧の空間にいるような感覚ともいえる。

テクニカルデータ
地域:ヴェルジィ&ヴェルゼネ(モンターニュ・ド・ランス)
ぶどう品種:ピノ・ノワール 2/3、シャルドネ1/3
熟成期間:澱がある状態で36ヶ月以上
ドサージュ:6 g/l以下
評価:eRobertParker.com, USA, Lisa Perrotti-Brown, 90/100 - 2010



Penet Chardonnet Grand Cru Terroir Escence Rose NV(10000)
(プネ・シャルドネ グラン・クリュ・テロワール・エソンス・ロゼ)
香りに密度の濃い核があり、そこからヒゲ状に上方へとすぅっと上方に向かってらせん状にキレイに立ち昇る。ミネラルが張っており、それを追うとバンバンと訴えてくる。スウィーティ、グレープフルーツの実、ウリ、メロンなど果実のきれいな香り。味わいは中核があり、そこから水平方向に枝葉が出て、その枝がビューっと伸びていく。舌の微かに上に、果実味がベールの膜状になって2-3層と軽く覆う。そしてかなり上方には雲のように厚みをもつモクモク状態のところからベールに風を吹くように振り降りる。他のシャンパーニュとはタイプが異なる。

テクニカルデータ
地域:ヴェルジィ&ヴェルゼネ(モンターニュ・ド・ランス)
ぶどう品種:ピノ・ノワール 2/3、シャルドネ1/3(ブレンド法)
熟成期間:澱がある状態で36ヶ月以上
ドサージュ: 0 g/l
評価:eRobertParker.com, USA, Lisa Perrotti-Brown, 91/100 - 2010



Penet Chardonnet Grand Cru Cuvee Prestige Grand Reserve NV(13800)
(プネ・シャルドネ グラン・クリュ キュベ・プレステージ グラン・レセルヴ)
熟成感がすごい香り。はちみつのコクがあり、ブランデーなど熟成香があり、木が朽ちる手前で止まっており、香りの後半がクリア。味わいは複数の球体が重なりながら動いているようでほわほわしている。その内側でピカピカと柑橘の酸味が光る。通常グラスにしてみると香りがグラス内にギューっと集中し、甲殻類や塩、スパイシーさも出てくる。味わいは注ぎ変えたためはやさしくなる。

テクニカルデータ
地域:ヴェルジィ・グランクリュ(モンターニュ・ド・ランス)
ぶどう品種:ピノ・ノワール 2/3、シャルドネ1/3
熟成期間:2002年に瓶詰めし、澱がある状態で熟成
ドサージュ: 0 g/l



Penet Chardonnet Grand Cru Terroir Escence "Les Fervins" Verzy Grand Cru 2009(12500)
(プネ・シャルドネ グラン・クリュ・テロワール "レ・フェルヴァン" ヴェルジ)
透明感、ピュア、洗練していて美しい。中域から香りが針のように硬質でピーンっと上方に向かって立つ。グリーン、ハーブ、ターメリックにスパイシーさもある香り。味わいもきれいで澄んでいる。すっきりして、その後は水平方向へ放射状に広がりつつ、力が沸きあがるようにガーっと味わいがのってくる。ミネラルの平面はかなり上方にあり、とても階調が高い。綿菓子ぐらいの密度の中で酸がピカピカと瞬くところも美しい。すごくおいしい。

テクニカルデータ
地域:ヴェルジィ・グランクリュ 南東向き、平均15度斜面(モンターニュ・ド・ランス)
ぶどう品種:ピノ・ノワール 70%、シャルドネ30%
区画年月:20年
収穫:2009年9月19日から22日
醸造:小さいスチールタンク内、マロラティック発酵なし、澱がある状態で熟成
瓶詰め:2010年5月3日、5000瓶以下
ドサージュ: 3 g/l



Penet Chardonnet Grand Cru Cuvee Prestige Diane Claire NV(18000)
(プネ・シャルドネ グラン・クリュ キュベ・プレステージ ディアン・クレール)
熟成感ある香り。上品なケーキ、濃厚さ、重厚、たまり醤油、ブランデーなども香り、密度が高く、複雑な要素が多くある。1mの立方体を50cmの立方体に圧縮したかのような香りの密度がある。酸がキラキラと光りながら伸縮を繰り返しながら進行して水平方向へ伸びていく。味わいも熟成感たっぷりだが若々しさもある。20cmぐらいの焼き芋状に味わいが集まり、そこから上方に向けて3本の矢でまとまり味わいが広がる。色が濃い水墨画に色ものったようなところや、枝つきぶどうの香りもある。

テクニカルデータ
地域:ヴェルゼネ・グランクリュ 2002年ヴィンテージが主体(モンターニュ・ド・ランス)
ぶどう品種:ピノ・ノワール 2/3、シャルドネ1/3
醸造:2003年に瓶詰め、澱がある状態で熟成、8000瓶以下
ドサージュ: 0 g/l
評価:eRobertParker.com, USA, 92/100, Lisa Perrotti-Brown - August 2010



Penet Chardonnet Grand Cru Terroir Escence "Les Epinettes" Verzy Grand Cru 2009(13800)
(プネ・シャルドネ グラン・クリュ・テロワール "レ・ゼピネット" ヴェルジ)
フルーツケーキ、美しい、それでいてガンガンと訴えてくる香り。味わいもキレイでエレガントという言葉が相応しい。

テクニカルデータ
地域:ヴェルジィ・グランクリュ 北西の3度傾斜面(モンターニュ・ド・ランス)
ぶどう品種:ピノ・ノワール 100%
区画期間:40年
収穫:2009年9月16日
醸造:小さいスチールタンク内、マロラティック発酵なし、澱がある状態で熟成
瓶詰め:2010年5月3日、3000瓶以下
ドサージュ: 4 g/l



Hubert Lignier Chambolle-Musigny V.V. 2010
(ユベール・リニエ シャンボール・ミュジニー ヴィエイユ・ヴィーニュ)
焼けた香り、パーマ液、黄色いローズヒップなどが香る。味わいはすっきりしつつも、エキスと旨味が凝縮している。


サラダやクリームチーズに酒盗など前菜


パン2種類


ハムとシュウマイ


キッシュとゴルゴンゾーラのピザ


ミルク風味のスナック、舟和の芋羊羹バター焼き


本日のラインアップ

参加者10名でプネのシャンパーニュが10本、それにブルゴーニュを1本追加なのでひとり1本相当。
すべてに共通するのは洗練されているところで、買いぶどうのアレクサンドルと自社畑のプネ・シャルドネとでは格が異なる。さらに畑の区画も限ったリューディは突き抜けている。それでも現在は上のクラスほど本来のポテンシャルが全然が出てなく、1ヶ月も落ち着いたものを飲めば驚くと思います。





食事とも楽しい試飲会でした。ご馳走様でした。
料理には家庭の和食、洋食に合わせるのであればアレクサンドルの方が使い勝手が良さそう。おそらく刺身は全クラスで大丈夫。そして、上のクラスになるほど料理を選び、単体をゆっくり楽しむか、きちんとしたチーズ、本格フレンチなどが良さそうです。

現地と同じクオリティ、状態のシャンパーニュを日本でも楽しめるのはとても嬉しい。日本における本当のシャンパーニュ文化の夜明けがきました。

La Maison Penet Champagnes
Champagne Penet Chardonnay / Alexandre PENET
12 Rue Gambetta 51380 Verzy +33 3 51 00 28 80 contact@LaMaisonPenet.com

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休