2010年1月16日土曜日

ウイスキーラバーにワインを楽しんでもらう会 1月

ワイン会 ウイスキーラバーにワインを楽しんでもらう会 1月
主催 SEIさん @Vin et cuisine A.k.

今回のテーマは、ワインの時間変化を楽しむ。グラスに注いだワインがどう変化するか。



前菜はシェフの即興アイデアで、やや生っぽさを持たせたままの魚とイカ。
この前菜に合わせると、キザン白シャルドネはきれいに合うが、コントラフォンは合わずに生臭く
なってしまう。同じシャルドネでもこれだけ違うのはおもしろい。キザンは普通の和食に合う。



それぞれ、時間か温度による影響で、香りや味わいに大きな変化を見せる。
・機山洋酒工業 キザン セレクション シャルドネ
 香りがおとなしいが小さい白い花で冷涼で切れる酸や吟醸香が、4時間後ぐらいには、ふんわりと
 やわらかい白桃の香りが発ち、味わいに白桃や洋梨の甘味も出てくる。

・Domaine des Comtes Lafon Meursalt Clos de la Barre 2004
 (ドメーヌ・コント・ラフォン ムルソー クロ・ド・ラ・バール)
 やや個性が強い香りで要素としてはショコラ、バニラなど柔らかい香りと強みをもった麦も入った香り。
 最初は、ふわっと発った後ストンと落ち、香りも弱めで、味わいもおとなしく平坦。
 時間が経つにつれ、ボリュームある味わいから、最後には冷涼でミネラルの生きた味わいになった。

・Domaine des Comtes Lafon Meursault-Charmes 1er Cru 2004
 (ドメーヌ・コント・ラフォン ムルソー シャルム)
 クロ・ド・ラ・バールよりもさらに香りが弱く、ほとんど香りがないというぐらい。
 粘度が高い雰囲気で、蜜の風味がありながら、力強くスライム状の液体が前へ前へと推進してく。
 少し経つと品のある酸がきれいに伸び、品良く進んでいく。



ポトフは汁少な目のボリュームあるもの。味わいがのっている。コシュ・デュリと合わせる。
・Domaine Coche-Dury Meursault 2003
 (コシュ・デュリ ムルソー)
 これは最初から活きている。コシュ・デュリっぽい焦がし風味と、大きなうねりをもった、ゆったりと
 した味の各要素が入れ替わる様や落ち着きを持ち、上品なところがいい。白でも赤でも同じ風味がある。



・パイを皿にした帆立料理
 パイはやや甘味がありパリパリし、具沢山の帆立やほうれん草がサクッと食べられる

・Domaine et Maison Louis Jadot Corton 1999
 (ルイ・ジャド コルトン)
 最初は香りも弱く、味わいも平坦だったが、30分、1時間置くと、どんどん本領を発揮し、冷涼で
 広がりを見せ、ミネラル感が平面方向の大きな面を作る。冷涼な水面の雰囲気だが柔らかみを
 持っている。

・DOMAINE LA POUSSE D’OR Volnay Clos de la BOUSSE D'OR 1er CRU 1996
 (プスドール ヴォルネイ クロ・ド・ラ・ブス・ドール)
 濃い色合いで、香りも最初からはっきり。そしてヴィルネイらしいドロっぽい雰囲気を持つ。
 時間が経つにつれ、コルトンと張り合うように酸やミネラルが活きていき、きれいな印象に変わる。



・うずらの焼いたものと春菊
 完全に和な春菊だが、癖やアクが抑えられ、ウズラの香ばしさと甘味のあるソースと合っている。
 うずらは骨が多く、少し食べにくい

・リンゴのタルト
 本日は生地がやや甘味を持ち、リンゴは甘味と酸味を持っている。



・DOMAINE LA POUSSE D’OR Volnay Clos d'Audignac 1996
 (プスドール ヴォルネイ クロ・ドーデニャック)
 お手本のようなブショネ。最初に少し尖がったカビの香りがきて、その後はおとなしいので、そこを
 自分でマスキング(我慢)すれば、一応飲める。他の皆さんは拒否されてましたけど。
 お試しで、有名なサランラップを実験。サランラップで吸着して変な要素を取り除くというもの。
 トップにくるコルクのカビ臭はやや収まるが、中盤の香りに太めのカビ香が出てくる。30分置いても
 やはり同様で、味わいもやや変化したが劇的な変化はなかった。 どちらかと言うと、太く中盤にカビ
 香が出るようになったので気持ちの上でのマスキングもしにくくなり、飲みにくくなった。



おまけで、アルザス、ポートワイン、シャブリを少し頂いた。 ポートワインは天草など上品なタイプ。
シャブリは香りや味にある果実の要素からマコンと間違えたが、酸の線からシャブリと判断できる
とのオーナーソムリエ・シェフのお言葉。言われると、そうかと感じる。勉強不足です。


本日もおいしいワインを沢山飲ませていただきました。ご馳走様でした。
モノによっては最初から実力を発揮しているワインもあるが、コルトンなど時間変化が極端に大きい
ものもあった。こういうワインは1本をゆっくりと飲まないと真価が分からない。約5時間のワイン会。