2016年3月1日火曜日
ヴァインベルクのワインとポロワッカの熟成エゾ鹿肉、相模原農園の野菜料理の夕べ
北海道北見の熟成エゾ鹿とヴァインベルクが輸入されているドイツワインとのマリアージュ会が開催された。OBさん主催、場所は銀座のローゼンタールさんです。
ビルはレトロなたたずまいでエレベータの押しボタンが昭和チック
8階にあるこちらがお店の入り口です。
店内は思っていたよりも広く、カウンターとテーブル席がある。今回はテーブル席でワイン会です。
本日のメニューです。
KONDOヴィンヤード ナカイ・ミュラワ 2013
大きな赤や黄色の花びらを感じさせる風味がふぁっと広がり、糖質はやさしく穏やかな和の甘味。泡がピリリリっと軽く舌を刺激し、ほんわりと舌先にひょっこりと残る和の甘味、上あご後方への適度なグレープフルーツなど柑橘の甘皮にある苦みがある。ほんわかとした味わいが心地よい。
OBさん提供の1本。1063本の限定品で入手が困難なワインだそうです。余市の中井農園産ミュラー・トゥルガウとコンドウ・ヴィンヤードのモセウシ農場産オーセロワでつくられるペティアン、醸造は10Rワイナリー。
自家製白菜漬け生ハム巻、大根の梅酢漬け
Sekthaus Solter Rose Sekt Brut 2010
(ゼクトハウス ゾルター ロゼ・ゼクト)
黄色いタンポポのような密度のある深い色を感じさせる花の香り。舌にぶどうの果皮の苦みがあり、下凸の円弧を描きながら泡がシュワシュワと広がる。果皮の苦みあるが軽やかな味わい。
ゼクト専門の生産者で、このブドウ品種はシュペートブルグンダー (ピノ・ノワール)だそうです。
北見ラウレアさんモッツアレラチーズと自家干し大根、ルッコラサラダ
大根が干されていてモッツァレラの甘味とワインが普通にあう。
Bernhard Eifel "vom Rotliegenden" Schweicher 2014
(ベルンハルト アイフェル ロートリーゲンデン)
中実でリッチな香り。中低域の安定した香りで、周囲は糖分を入れた紅茶の香りが広がる。味わいはドイツらしい甘さで香りと同じく階層は中域。口内にほんわかとした甘味が風船のように薄い膜で丸く続く。
ブドウはリースリング。シーファー(粘板岩)ではなくロートリーゲンデンという風化した砂岩の土壌だそうです。
トリュフ入りのチーズ
Hofgut Falkenstain Niedermenniger Herrenberg Spätlese feinherb 2014
(ファルケンシュタイン ヘレンベルク ファインヘルプ)
オイリーで大人しい香り。味わいはリンゴの風味が中央もつ甘味を軸としてその周囲で酸味とプチプチした微発砲の刺激が電磁波のように交錯しながら口奥方向へ細く長く収れんしていく。ブドウのきれいな酸味があり、口奥へとスーッと流れていく。味わいの後半と余韻で舌上で少し甘味がベターっとのりながら広がるがそれでもおいしい。
写真は土壌の岩で、ブドウは樹齢90年前後の自根エリアから採られたものだそうです。
エゾ鹿の心臓と赤じゃがいも、プチヴェールソテー
エゾ鹿の心臓はハツらしい食感と旨みと軽ろやかな味わい。ワインともあう。
Schoffit Alsace Chasselas Vieilles Vignes 2014
(ショフィット アルザス シャスラ ヴィエイユ・ヴィーニュ)
香りは黄色い高いトーンも入った成分が広がり、ふぁっと40cmぐらいの球体に広がる丸い味わい。当日持ち歩きで暴れているためだと思うが、本来はエッジに走るステンレスのようなシャープさがなく柔らかく広がっている。これはこれでおいしいが本来のスタイルが好きです。平野弥さん提供。
東川ワイン キトウシ 2014
香りの要素に焼きや石、石焼き芋の香りがある。風味があり、スっとした感じに、軽く、重さもある。味わいはガツンっと直角な壁にぶち当たったかのようなインパクトあるアタック。ステンレスっぽいエッジを感じさせる。個性があっておもしろい。OBさん提供。
ブドウはセイベル100%で、東川町キトウシ山麓の畑でセイベル13053.ラベルはエゾフクロウ
Bernhard Eifel Trittenheimer Apotheke Spätlese trocken 2014
(ベルンハルト アイフェル トリッテンハイマー・アポテーケ トロッケン)
酸が弾け、白粉の香り。大きな樹木のような柱があり、その周囲に沿うように香りが立ち上る。味わいはシャープで苦みもある。後半は甘味が優勢になる。舌上に黒い核があり、そこから15度ぐらいの角度で口奥上方へ向かって振動しながら苦みが昇っていく。
アポテーケは有名な畑名だそうです。
相模原農園、旬野菜いろいろせいろ蒸し
Schoffit Alsace Pinot Gris Tradition 2013
(ショフィット アルザス ピノ・グリ トラディション)
奥ゆかしい和ないい香り。周囲がシャープでよいが、これも当日揺らした影響だと思いますが苦みが続くのが残念。意見として出た「ばびぶべぼ」の味わいというのが当てはまる。平野弥さん提供。
Bernhard Eifel Grauer Burgunder "IM BARRIQUE GEREIFT" trocken 2010
(ベルンハルト アイフェル グラウアーブルグンダー バリック )
野菜、スイカの緑色部分などに加えて、十二単を想像させるお香を焚いたような香り。神舎や仏殿が思い浮かぶ。味わいは奥に丸くあり、表に出てこない内向的で、甘さが波動のように口奥へと段々に進む。味わいも香りと同じく独特な寺院を感じさせる風味がある。熟成や木の朽ちた風味などからカブトムシを感じさせるワインもあるが、これはそこに向かいつつも寺院と蜜の香りと味わいが続くので上品に感じる。
Niersteiner Hipping Riesling Spatlese feinherb 2013
(ニアシュタイナー・ヒッピング リースリング・シュペートレーゼ・ファインヘルプ)
柑橘の香り、パール柑や八朔が香る。高いトーンのあるいい香り。味わいは中心にやや大きめの核がボリュームを持ち、そこからボリュームの球体表面から、円弧状の酸味がほわんほわんと波のように口奥へと進んでいく。参加者どなたかの提供。
裏エチケット
エゾ鹿とレンズ豆のコロッケ
Hofgut Falkenstain Niedermenniger Herrenberg Spätlese trocken 2013
(ファルケンシュタイン シュペートブルグンダー)
山ブドウなど日本ワインに似ている。青い香りと味わいで、全梗ワインのような枝の風味がある。2本目は香りのトーンが高く、ゴボウの高い成分が入る。土っぽさがあり、すっきりして味わいがパーンっと張る。
エゾ鹿熟成肉もも肉のロースト
Hofgut Falkenstain Krettnacher Euchariusberg Spätlese 2014
(ファルケンシュタイン オイヒャリウスベルク シュペートレーゼ)
中域の香り。味わいは八朔のようなフレッシュな柑橘の果実がある。味わいの輪郭がはっきりしており、ふたを開けたステンレス製の四角い弁当箱のように輪郭が90度にパシッと立ち上がり、その弁当箱の中身にはオレンジや八朔の風味があっていい。
ブロッコリーとかき菜、じゃこのスキレットご飯
Peter Lauer Ayler Kupp 'Kern' Feinherb 2014
(ペーター・ラウアー ケルン)
なぜか「中心に・・・、モーゼルの・・・」とだけしか書き残してませんでした。
ヴァインベルクさんの説明:甘味と酸味が調和したこのカテゴリーの味わいでは最高傑作の芸術品。ゴーミヨでは94点でこの年のファインヘルプ部門の最高得点。
Weinkellerei Meilen・Wilhelm Bergmann Bockenheimer Grafenstuck Scheurebe Eiswein 2007
(マイレン醸造所 ボッケンハイマー グラッフェンシュトゥック ショイレーベ アイスワイン)
丸くこなれている。旨みがじんわりと口内と舌にのり、ほどよい甘味。旨みと甘味が一体感ある。酸味はないが思っていたよりもおいしく飲めてよかった。横浜基点の提供。
本日のラインナップ14本。本日も沢山のおいしいワインと料理ありがとうございました。野菜中心のオリジナルな料理がワインと相性がよかった。ワイン会主旨とは異なりますが、日本ワインの2本とどなたか提供のニアシュタイナーのような個性や心が和む感じのある好みなワインに出会えて楽しかったです。みなさま、ごちそうさまでした。
ワインセラー ローゼンタール
東京都中央区銀座8-7-11 ソワレ・ド・銀座第2弥生ビル8F 03-3574-8758