2015年11月22日日曜日

Champagne André Robert シャンパーニュ訪問 (シャンパーニュ アンドレ・ロベール)


エスプリデュヴァンさんが12月ごろから新規に取り引きするシャンパーニュの生産者を訪問するチャンスを得ることができました。通常はメールやFAXで訪問の予約を受けますが、今回は諸事情からNZさん、HNさんにアポや調整にご尽力いただきました。ありがとうございます。


今回の移動はすべてタクシー。エペルネー駅近くのカフェでタクシーを早めに呼んでもらったところ、たまたま近くに空車がいたようで2分程度で迎いがきた。訪問先へも順調に走行し時間が早いので畑のある道路を歩いてみる。


畑などをみながら丘の上まで歩き、オジェの町を見下ろすと美しい景色で、空気もよくて気持ちがいい。以前、アヴィズから自転車でこの近くまで来たときを思い出す。


時間にお伺いすると、ご主人が「えっ?」というリアクション・・関係ないお宅でした。番地は合っているのだが通りが違うということです・・ガーン。ご夫婦で地図を出して説明いいただいた。本当に助かりました、ありがとうございました。


徒歩圏内のようなので走って向かう。


説明してもらった通り、塔のようなものがある。ここを左折します。


左折した先はこのような道。今度は通り名も確認して間違いなし。


到着! シャンパーニュ アンドレ・ロベールさん。


歓迎いただき、挨拶もそこそこに、「時間が少ないけど何したい?」と聞いていただいたので、カーヴ拝見&試飲と伝えると、「分かりました。特別な2箇所に行きましょう」とのこと。車へ乗り込む。


車で案内された先はメニルの畑。ここが特別な1箇所目。丘の上側がベースとなっている。上側は風が丘の上に吹いて湿気を飛ばし、クリーンな水を地層に流れるので最高のコンディションという説明だった。丘の下の方には窪みがあるそうで、まぁまぁよいが、やはりベストなのは丘の上で、いここから作るグランクリュは最高ということです。


個々の木々はまだ小さく、土は強めに湿っていた。


案内してくれた現当主の息子さん。とても気さくに話をしてくれるイケメンのムッシュです。


もう一つの特別な場所に向かう。到着してみると今度はセラー。安全面に配慮して外観の写真を載せませんがとても立派な施設です。写真は発酵に利用するステンレスタンク


熟成している樽のエリアへ。こちらは樽を積み重ねてなく、きれいに1段で整列して並んでいる。


樽の蓋を開けて、「樽に触って香ってみて!」。おぉ、すばらしい香り。ピュアでピチピチした香りが活き活きとしている。どんな良質だとしてもジュースとは次元が違う。樽は微かに発酵の感覚を受け取れる。2015年の発酵したばかりのシャンパーニュの卵で、本当に子供の子供だが2015年はすごい出来だということです。


この2015年の発酵したばかりのシャンパーニュは香りが白桃のような上品な果実をベースに複数の果実が融和している。フレッシュな皮付き青リンゴとキュウイのような風味も混じる。少しだけ発酵によるピチピチした泡もあり、リンゴのような果汁風味と酸味がすでに調和が取れている。このようにこれから開放されるまでわくわくしながら待ち構えているような生命のエネルギーを感じたのは、ドメーヌ・ジャン・イヴ・ビゾさんのエシェゾーを樽試飲したとき以来です。
このようにすぐにおいしいということは通常なく、ぶどうが良かったからすでに美味しく、本領を発揮するのは7-8年後だということです。なお、この樽は2016年ヴィンテージになります。楽しみです。


次にセラーを案内され、歴史や造り、カーヴ内でも露出しているチョークなどの地質を説明してもらった。本日は外が寒いのでカーヴ内の方が少し温かい。きれいなカーヴ。


古いシャンパーニュ。写真は1981年と1985年。数字は在庫の本数でもう数が少ない。


すごいカビのかかり方。これがカーヴ環境が完璧な証。


セラーの奥で試飲を開始。


Brut Réserve Grand Cru Blanc de Blancs
よいシャンパンに感じる上質なクリームの香りがあり、味わいはミネラルと良質な酸味のバランスがよい。長くきれいに味わいが伸びる。今はバランスがよいなかでも少し果実の糖質が多めなので、きちんとしたシャンパーニュながら万人に好まれそうな味わい。少し経つとさらにバランスは良くなりそう。
説明:シャルドネ100%のブランドブランで、先ほどみた丘の上側にあるブドウが30%入っている。まだ3年でリリースして5ヶ月目。


Mesnil Millésime 2006 Grand Cru Blanc de Blancs
熟成感と元になっているブドウの品質がとても高いことが分かるとてもいい香り。上品なクリームの香りで深みや厚みがある。味わいは複雑さがすごく、意思のある黒い核がいる。エレガントでかつ濃さもあるので、バターが利いたフレンチが合いそう。
説明:丘上の最高の区画だけを100%使用している。マロラティック発酵なし。


最後のボトルだったそうです。貴重なボトルをありがとうございます。父親に「最後のボトルはこんな感じだ」と伝えるために持ち帰ると言われてました。


Grand Cru Le Séduction 2007
梅、奥にクリームがあるいい香り。味わいはスムーズで、後半になるほど複雑かつグググーっと力強さがみなぎってくる。海岸で力強い波がぐわーんっと押し寄せてくる感覚。2007年はエレガントにまとまっている方でヴィンテージによってはもの凄いパワフルになるそうです。体力があるときにしっかりした料理と合わせるのがよいでしょうか。個人的には1本目のブラン・ド・ブランの方が好きで、ムッシュも同意見でした。
説明:シャルドネでフレッシュさ、ピノ・ノワールで力強さを出している。マロラティック発酵なし。


試飲した3種類はそれぞれ個性がはっきりと異なり、シーンによって使い分けができるシャンパーニュでした。共通するのはリッチで奥に力強さがあるところ。畑やカーヴの紹介、樽で熟成中のものを含む試飲など大変楽しく、興味深い訪問でした。
移動時には、キッチンにいらしたグラン・メル(祖母)も門のところで手を振って見送りいただいた。ありがとうございました。

次は ワリス・ユーベル さんへ向かいます。

Champagne Andre Robert
15, rue de l'Orme - 51190 Le Mesnil Sur Oger +33-(0)3-26-57-59-41 info@champagne-andre-robert.com