イベント ブラインドによるワインテイスティング講座
主催 ワイン専門平野弥
テーマ 距離感を掴む +持ち込み
2010年を迎え、新しいテーマで開催(開始直前まで知らされてない)
品種や国、生産者、畑など違いの距離感を掴む。また、五感の異なる要素、例えば、「黄色い香り」など、視覚表現を嗅覚表現に置き換えるということを普段より、自覚的に表現することを試みる。
・Fabien Coche-Bouillot Meursault LES CASSE-TETES 2005
(ファビアン・コシュ・ブイヨ ムルソー・レ・カス・テット)
透明感ある色合いで、石、柑橘系で、中低域を持つが全体的に明るいトーンの香り。味わいは石っぽさ、オレンジ、酸がきれいで、酸の輪郭が柔らかい。さっぱりとしてスーッと伸びる。
・Jean-Philippe Fichet Meursault Le Tesson 2005
(ジャン・フィリップ・フィッシェ ムルソー・レ・テッソン)
少しにごりある色(これは澱が入ったらしい)。グリーンガム、ヨード、草、天草、栗、熟したフルーツや淡い色のフルーツ、甘栗などの香り。味わいはゴツゴツした岩を感じさせ、栗の実、ピリピリしてジワーっと旨味と酸が厚みを持った後、ストンと落ちる。やや苦味がある。
前者はコルディエのマコンを薄くした印象で、後者はドイツ系品種に思えたが同じムルソーとは。後者には草原での風を感じさせる雰囲気があり、個人的にはドイツ系品種やニュージーランドに感じるテイスト。答えを聞いて、香りを嗅がずに味わうとムルソーということが分かる。難しい。前者の苦味はバトナージュによるもので、後者は樽起因。
・Lucien Crochet Sancerre 2003 Cuvee Prestage
(ルシアン・クロッシェ サンセール・キュベ・プレステージ)
黒が主体の濃い色調。甘く、杉、やわらかくボケのある香りでスーッとする。舌に厚みを持ってジーンと入り込み、甘味、苦味、ストント味が抜けて苦味が伸びる。
・Simon Bize & Fils Savigny-les-Beaune Les Bourgeots 2003
(シモンビーズ サヴィニー・レ・ボーヌ レ・ブルジョ)
明るい、透明感あるルビー色。杉、スーッとする感じと獣臭でやや明るいトーンの香り。ジワジワーっと味わいが入り込み、酸が早く消える。
前者は濃く甘い雰囲気からカリニャンなどを想像したがピノ・ノワール。ロワールのこの生産者は醸造方法、つまり抽出で濃い色になっており、ピノというのは香りにある磯や青海苔の要素から判断できるとのこと。言われると要素はあるが、ピノをそのように捉えたことはなかった。後者は明らかにブルゴーニュのピノ。味の浸み込み方はシモンビーズらしいが、酸の伸び不足がそれらしさを損なっていた。
なお、前者でストンと落ちるのは低温劣化らしい。(もちろん、エスプリ・デュ・ヴァン輸入ではない)
・Louis Julian Rouge NV 12.5% -2007- ★我が家の持ち込み
(ルイ・ジュリアン ヴァン・ド・ターヴル・ルージュ)
少し濃い色だが透明感あり、でも黒系。香りはフレッシュで果実っぽく、華やかで吟醸香がある。
甘く、スーッと伸びて、甘味が舌に残る。
・Willamette Valley Pinot Noir North Valley 2007 ★持ち込み
透明感ある色合いで、スパイシー、黒系のイメージやニコラ・ロシニョールの雰囲気を持つ。
やや濃縮された雰囲気はあるがスッキリしている。
前者は当然銘柄を知っているので、他の方の意見では、ガメイ、カベルネフラン、日本のワイン、フランスで言えばロワールなど色々なコメントが出た。これはメルロー50%、シラー15%、グルナッシュ25%、残り20種類というすごいブレンドのローヌのワイン。ドブロクっぽさとフレッシュさが売り。
後者はブルゴーニュではなく、カリフォルニアでもなく、やや甘味もあるのでオーストラリアなどを想像したがオレゴンのワインということで納得。
そして、いつものように宴会モードへ突入。
Nさんが釣り上げた虹鱒をフリッターにしたマリネ。平野さんお手製のサフランライスのイカめしでユズを利かせて、トマトソース掛け。どちらもおいしく、色合いがきれい。
本日も沢山飲ませていただきました。ご馳走様でした。
今回のテーマは難しく、ワインそれぞれの味の違いはそれなりに分かるが、どの要素を取り出して距離感を見出すかがまだ理解できない。直観と表現の多様性も楽しんでいきたい。