2010年9月29日水曜日

Louis Latour (ルイ・ラトゥール) ドメーヌ訪問

Domaine Louis Latour (ドメーヌ・ルイ・ラトゥール) 
Maison Lois Latour (メゾン・ルイ・ラトゥール) @Beaune,Aloxe-Corton

本日はネゴシアンとしても有名なルイ・ラトゥールさんのドメーヌを訪問。
プロ以外は受け付けてないそうだが、今回、特別にプログラムを組んでいただけるという連絡をもらえた。



指定されたオフィスに伺い、インターフォンで訪問を伝えると金属門のロックが解除され、中庭を経由して
ガラス張りのドアを抜けて受付へ。少しすると事前のやり取りで対応していただいた方がきて、簡単な挨拶。
その後は申し訳ないが英語で話をさせていただいた。英語だと会話がとてもスムーズ、助かります。

「コルトンの収穫をしていて、明日が収穫の最終日。色々見れてとてもいいタイミングですよ。
 コルトン畑を通って、ドメーヌで工程を見てみましょう」と説明していただき、車でドメーヌへ移動。
50haを100名で収穫されている。クオリティを高めてやっているので収穫量は少ないので100名いても普通は
多いのよ。ここがアロース・コルトン、こっちはコルトン、あの上の方はコルトン・シャルルマーニュなど
説明を受けながら進む。


ドメーヌの前に車を止めると広大な葡萄畑が一面に広がっている。ドメーヌ前の大きな建物には、
ルイ・ラトゥール家の方々が住んでいるそうです。
ドメーヌ内に向かう通路がとても立派。石積みの壁がとても美しく、ドメーヌの建物も映える。


ドメーヌ内では選果台での選果がされている。畑で1回目、選果台で2回目の選果を行い、質が高いものだけで
ワインを作る。選果されたものはそのまま除梗機で除梗される。葡萄の実が入るバスケットはレールに乗った
台車のようなもので、いっぱいになるとレールを転がして、発酵樽へ運ばれる。


室内の作業場へ移動すると、そこは2階になっていて、先ほどの葡萄をレールで簡単に樽へ入れることができ
る階構成になっている。そして、そこには酵母を培養している銅鍋。少し温かみを帯びている。(写真撮り忘れ)
階段を降りて、樽作業の現場へ。


タイミングよく、除梗された葡萄のバスケットがレールを転がりやってきて、発酵樽へジャーっと注がれる。
かなり勢いがよく、あっという間に終了した。早いですねと伝えると、もっとデリケートにしないと本当は
よくないとのことだった。そして、先ほどの培養された酵母が入った銅鍋も別の樽上まで移動された。


果皮、果種が浮いているものを攪拌するピジャージュ、一日3回やるそうで、実際にかなり力を入れてやって
いて、重労働だという説明にうなづける。
空気を含ませるために下層からパイプを通して抜いて上からかけるルモンタージュなども樽別に一斉に総出で
作業が進められていた。
基本は伝統的な方法で人力を主として作られているが、プレス機は近代的なエアープレスタイプでここは分け
ているという説明であった。


「では畑を見に行きましょう」。作業場を抜けて、城壁にある門から階段を上って畑に出る。
畑の位置や作業、選果など色々と説明を受けた。一番近いコルトンの畑はすでに収穫済みで、選果されて葡萄
の木に残った赤のコルトンの房を摘んでもらい食べてみると皮は厚めで酸が立っている。生食としておいしい
が発酵させる糖度が不足しているのは明確。なるほど。


畑からドメーヌに戻ると選果されたコルトンの葡萄があり、よかったら食べてみてと勧められたので喜んでい
ただいた。さすがに先ほどの選果で残った葡萄と全く比べモノにはならず、糖度がとても高く、皮の厚みも薄
く葡萄の状態で非常においしい。また、先日食べたジャン・ラフェさんのシャルムと味の傾向が違う。おもしろい


ドメーヌ内のテイスティングルームへ移動。一応、皆さんに見てもらっているのでと ルイ・ラトゥールの
紹介DVDを10分間程度見せていただく。日本語も再生できてとても分かりやすい。
※ホームページでも同じものを再生可

そしてテイスティング。
テーブルに準備されたボトルを順番に抜栓していく。まずシャブリから、


・Simonnet Febvre Chablis 2009
 キーンとした金属系の硬質さと平板の水晶に液体が張っている様は、まさにシャブリ。このワインだけ
 ヴィオニエを混ぜていてステンレス発酵という説明。
 ルイ・ラトゥールのネゴシアンで取扱いしている Maison Simonnet-Febvre の商品

・Bourgogne Chardonnay 2008
 シャルドネらしい水平方向にピーンと張る酸とミネラル。それでもアタックは柔らか。
 オークセイの葡萄だという説明だった(と思う)。


・Pouilly-Fuisse 2009
 とてもフローラル。パフュームという表現もされていた通り、いくつもの香りの要素が厚みをもって
 存在している。味わいは縦方向に酸が立ち上がる広がる。
 (ここから上3つはコメントが混ざっている可能性あり)

・Meursault 1er Cru Châtear de Blagny 2008
 香りからして明らかなミネラル。小さい白い花などの香りもあり、ボリュームもやはり1段上。
 味わいは水平方向に広がる。

ここからは赤



・Marsannay 2007
 スパイシーで澄んだ印象の味わい。
 マルサネは他のAOCと比べて歴史が浅く、品質が向上されて承認されたばかり。どうして品質が向上された
 のか伺うと農家の方々やコミュニティが気をつけて葡萄を作り、それらの努力が実ったという説明だった。

・Beaune 1er Cru Vignes Franches 2006
 温かい印象。

・Château Corton Grancey Grand Cru 2006
 さすがにこれは今までのワインを圧倒している。香りの要素、深み、厚さ。香りには小さいバラがあり、
 果実の大きなボリュームに酸、ミネラルがいて、時間の経過とともに表情を変える。

試飲中は、ワインにある要素を言い合って、さながらいつものブラインドテイスティング教室のようで楽しい。
ただ、いつものような時空間的な表現を英語で説明できず、共感してもらえるか試せなかったのが残念。
試飲は終了だが、これを持って帰って、ディナーのときに飲んで時間変化を楽しんで と、試飲した
Château Corton Granceyのボトルをいただいた。なんということだ。


オフィスへ車で戻り、ルイ・ラトゥールを購入するいいお店と、チーズのお店を紹介していただき、終了。
対応していただいた方はとてもキュートで知的な方で、説明も分かりやすい。会話もまったく途切れることが
なく、とても有意義な時間を楽しく過ごすことができた。2時間半の長きに渡り、ありがとうございました。

※色々な話の中で、前日にカーヴ・マドレーヌへ食事に行ったことを伝えると、「あそこはいいわね。店主が
 また気さくでいいのよ」とボーヌ内の方々にとても人気があることが再度分かった。

Louis Latour
18 rue des Tonneliers ,21204, Beaune 03 80 24 81 02