ワイナリー タケダワイナリー @山形県上山市
この道?というような側道を行くと工場の趣きを持つ建物と蔵王スターワインという看板が出てくる
見学から。ワイナリーを囲む周囲に畑が広がっており、上左写真はワイナリーから東南方向のもの。
上方はかなり傾斜が立っている。
除梗装置は、この時期稼動しないのでビニールシートで封がされている。
地下にいくと出荷前の瓶ケースが積んである。ここに、あるノウハウがあり、そうなんだ という感じ。
衛生上入り口までだが、樽貯蔵と瓶貯蔵のエリア。ドアで仕切られている。
別室に行くと、瓶にラベル、キャップ、コルク入れなどを行う半オートメーションの装置。
話を伺うと、色々な大変さがよく分かる。ドイツの装置が壊れたときが一番大変とのこと。
これも良く分かる。
ワイナリー前の垣根栽培のシャルドネ。樹齢20年ぐらいのもの。
垣根栽培は全体の80%で、残り20%は棚栽培。
入り口に戻って、カウンターで試飲
ひと言テイスティングノート
・サン・スフル・シードル 2008(Sans Soufre Cidre)
新商品で、香りは明らかにふじりんご。他のリンゴではありえない香り。
この香りが非常にいい。フジの酸を伴った蜜はほとんどない状態のリンゴそのものの香り。
口に含むと微発泡でほんの少しだけ舌にぴりぴり感があり、はじめ味がしないが、少しずつ
波が押し寄せるように味が膨らんできて、波が通り過ぎた後、舌奥にキラキラした酸が現れる。
全体の印象として非常にさっぱりしているので食事に合わせて飲むのに良さそう。
山形県産ふじりんご100%
・ドメイヌ・タケダ アッサンブラージュ白 2007 (Domaine Takeda Assemblage)
いくつかの白い花の香りと弱い果実香。舌先に酸味の高い酸がきて、舌奥には膨らみのある
果実の味わいがいる。
自家農園収穫のシャルドネ60%、マスカットベリーA40%をオーク樽で熟成したもの
・アストールワイン 2005 (ASTRE)
白い葡萄の香りに少し蜂蜜の入った甘めの香り。ドイツのアウスレーゼぐらいの甘さで果実の
甘味だが、酸が全くない。これで酸があればかなりおいしい。
山形県産デラウェア100%で古酒がベース
・ドメイヌ・タケダ アッサンブラージュ赤 2007 (Domaine Takeda Assemblage)
ベリーAの甘い香りがトップノーズ。すぐにメルロのやさしくおいしい香りが上がっている。
少し経つと野生種の香りが出てくる。味わいはバランスがよく、どれが突出したこともない。
やはり奥底、この場合は舌奥に平面状にキラキラした酸が張っている。
香りの変化は楽しく、四恩醸造 「窓辺」 2007 を思い出させた
自家農園収穫のCS25%、ML20%、マスカットベリーA45%、ブラック・クイーン10%
・ドメイヌ・タケダ ブラッククイーン 古木 2007
酸味の強い黒果実の香りで、口に含むと酸が舌の半分以上を支配して果実香が鼻を通る。
透明感のある貫けるような酸が印象的。ブルゴーニュの熟成ピノの梅味にも近い風味を持つ。
ブラッククイーン単一ワインとして、キザンワイン(赤)がすぐに思いつくが、酸に貫けがある
ところがこちらの特徴。 総合的な味わいはキザンワインの2005&2006と2007の中間位置。
2-3年熟成させるとかなりおいしくなりそう。
自家農園収穫葡萄100%で樽熟成
・ドメイヌ・タケダ ベリーA 古木 2007
ベリーAらしい甘ったるい香りが発つ。味にもやや甘めのベリーAの甘さが舌中央にのるが
その周囲は酸で包まれている。甘味を持ちつつ、酸がはっきりしている。
・サン・スフル 2008(Sans Soufre)
やはりベリーAっぽい香りでベリーA古木と比べると弱い酸。少しボヤケている
開栓から時間が経っているためか、発泡感はなかった。
山形県産ベリーA100%
・アストールワイン(艶) 2002 (ASTRE)
香りに深みがあり、舌の中央に味わいが積層されるかのように舞ってくるようで、厚みのある
味わい。極甘口となっているが甘味のある果実の味。
自家農園収穫ブラッククイーン100%
評価
このワイナリーの特徴として酸が立っているが、トゲトゲしくなるギリギリのところで抑えてあり、どこか
柔らかであるところが共通する印象。サン・スフル・シードル と ベリーA 古木 は、かなりおいしい。
お忙しいところ、見学対応ありがとうございました。
この店頭試飲では小さなキャップタイプ。何とか味を読み取れるがこの点は改善いただくとうれしい。
従業員は社長入れて10名ということなので、グラス洗浄など考えると難しいかもしれませんが。
タケダワイナリー
山形県上山市四ツ谷2-6-1 023-672-0040 10:00-11:30,13:00-17:00