2016年1月9日土曜日

ワイン専門平野弥 新年ワイン会2016 ※2015年12月輸入品から選りすぐりワイン


2015年12月輸入品から美味しいものを厳選した新年ワイン会が急遽開催された。場所は平野弥さんのテラスで、15名という大人数です。


15名で12本のリスト。シャンパンが色々な意味で強いということで、順番はスティルワインから始まり、シャンパンに移る。

全員揃わないので待っている間、1本ウェルカムワインとして1本追加


Dominique Lafon AC Bourgogne 2011
(ドミニク・ラフォン ブルゴーニュ・ブラン)
ミネラルが張る。美しい蜜が上品に香る。平面の全体から上方へ向かって均一にサーっと香りが立ち昇り、そこにスーっとする要素もある。舌触りはトロリとして、戻り香が心地よい。とても細かいので気にならないがタンニンが豊富にある。


Dominique Lafon Meursault 2011(13600)
(ドミニク・ラフォン ムルソー)
ACと比べて香りの厚みが深くなる。味わいも7-8cmの球体となり、それは中実で厚みがある。ミネラルは果実と融合していて鋼のような硬質なものとは異なる。平野さんは生き物のミネラルと表現していた。ACとはさすがにレベルが違う。


Hubert Lignier Morey Saint Denis 1er cru Clos Baulet 2011(13900)
(ユベール・リニエ モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・クロ・ボーレ)
いい香り。明るいトーンで、透明感ある黄色など色彩を感じる香り。味わいはキュートでチャーミングな味わい。口角をあげるときの円弧に沿って口の中で味わいがあがっていく。


Amiot Servelle Chambolle Musigny 2012(-)
(アミオ・セルベル シャンボール・ミュジニー)
キュウッと凝縮した香り。焼けた香り、甘さ、干しぶどうの香り。口に含むと黒い中核があり、その中核の安定した球体から空中放電のように周囲へ線状に果実の酸味が伸びてうねっている。味わいのトーンは高く、やや苦味があり、タンニンが多い。1erの準備をするまでのつなぎとして追加された1本。


Amiot Servelle Chambolle Musigny 1er Cru Les Charmes 2012(15100)
(アミオ・セルベル シャンボール・ミュジニー・レ・シャルム)
香りでミネラルが平面状にパーっと張り、その張りが強くて反りもあるような面を形成する。とても階調が高く、香りを4階層ぐらいに分けると、最上位の底面が基底となり、その平面全体から清見など高いトーンのオレンジが高いトーンで香り。それに干しぶどうの香りも加わる。スワリングで2cmぐらいの小さな点からピカーンと眩い光を放つように香りが広がり、そこにはグリーンが含まれ平原のような広がりがみえる。味わいは香りと同様に冷涼さがあり、ほんわかした温かさを持つ黄色や赤を感じる果実の甘さがある。湖畔の朝日が出る直前または出た瞬間など人間界の情景が思い浮かぶ。


Arlaud Charmes Chambertin 2012(24700)
(アルロー シャルム・シャンベルタン)
和な甘さをもついい香り。この和風な甘さがとても心地よい。還元香はあるが和風な甘い香りがとてもいいので気にならない。味わいは旨い!柔らかく丸く和三盆の甘味があり、栗の風味も加わりとてもやさしく口内を幸せにする。舌の凹に沿ってこのほわほわした甘い球体が輪郭としてあり、その球体の上から高いトーンの柑橘成分などがピキーンっと真っ直ぐに立つ。ぽかぽか陽気で温かさを感じさせ、和な甘さがとてもよい。立体感の差はあるがアルローにはどのクラスにも同様の感覚を感じる。好きな生産者。


Maison Penet(Alexandre Penet) Alexandre Penet Rose Extra Brut NV(6000)
(メゾン・プネ(アレクサンドル・プネ) アレクサンドル・プネ ロゼ・エクストラ・ブリュット)
すっきりしたキレイな香り。香りがピラミッド型ぐらいの傾斜をもち、高いトーンが抑え気味なため、その先端は尖りはなく小山になっている。クランベリーやブルーベリーのようなベリー系が適度な酸味を持ちながら甘味としてあり、先端が丸くなって口奥へと粘度をもって進んでいく。ロゼは味わいが分離しているものがほとんどだが、これは状態がよいためか、一体感があって普通の泡として飲める。ボトル10.5℃、グラス12℃で提供。


Maison Penet(Alexandre Penet) Penet Chardonnet Grand Cru Terroir Escence Rose NV(10000)
(メゾン・プネ(アレクサンドル・プネ) プネ・シャルドネ グラン・クリュ・テロワール・エソンス・ロゼ)
上質なシャンパーニュに感じられるミルク感のあるいい香り。オレンジ、ベリーなどが甘く中核としてあり、ミントを含みながらきれいに膨らむ。グググっと口前方向に果実味が力強く進み、そこから今度は口奥へとふぁーっと広がりながら膨らんでいく。密度を保ちながらほわーんっと膨らみ、旨味が多く、すごく訴えてくる。ボトル10℃で提供。


Waris Hubert Millesime Grand Cru Blanc de Blancs 2009(8000)
(ワリス・ユーベルト ミレジム グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン)
調理に入れたバター、キャラメリゼした香り、それにミルキーさも加わり、バター飴に香りになっている。口に含むと、直径10cmぐらいの太い幹が口の中央から口奥上側へと伸びていく。その伸びかたは力強く、黄色や赤など小さい花びらの花々が広がり、ハラハラとした動きも感じる。蜷川実花さんが描く花びらの鮮やかな世界観を彷彿させる。グリーンの風味もキレイで、横15cm、縦5cmの楕円状に味わいが集まり、その集まりの中身は見えない。この楕円がグググッと力強く膨らんでいき、ミネラルがグングンと攻めてくる。現地試飲時よりもよく感じる。


Waris Hubert Cuvee Equinoxe Millesime Grand Cru Blanc de Blancs 2009(10000)
(ワリス・ユーベルト キュベ・エキノックス ミレジム グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン)
7-8cmの層状に厚みがある香り。カカオやショコラなどが濃く、香りの密度が高い。口の中央で核が丸くあり、そこから舌先に来い味わいが集まる。舌全体と同じ面積の大きさで味わいが雲のようにぽっかり浮いており漂う。濃いが泡のおかげで軽やか。ドーヴネの香りやポップアートの印象を受けるという意見があり、その通りの印象を受ける。


Maison Penet(Alexandre Penet) Penet Chardonnet Grand Cru Terroir Escence "Les Fervins" Verzy Grand Cru 2009(12500)
(メゾン・プネ(アレクサンドル・プネ) グラン・クリュ・テロワール "レ・フェルヴァン" ヴェルジ)
1本目は繊細。2本目はおいしくりんごのキレイな高いトーンの風味が出ている。繊細で、無駄を削ぎ落とした美しさはエルヴェ・ジェスタンのような感じを受ける。しかし、現地で試飲したときのような意思が見えず、解き放つような広がり、果実の密度が乏しくまだまだ本来のプネではない。現在でもおいしく飲めるが感覚では20%ぐらいの実力しか出ていないのでもったいない。もっと落ち着かせる必要がありそう。


Maison Penet(Alexandre Penet) Penet Chardonnet Grand Cru Terroir Escence "Les Epinettes" Verzy Grand Cru 2009(13800)
(メゾン・プネ(アレクサンドル・プネ) グラン・クリュ・テロワール "レ・ゼピネット" ヴェルジ)
キューンっと高いトーンで響いてくるいい香り。ミルク感がクリーミーに漂い、香りの階層を5段階にしたときの最上位の階層底面から上方へと平面全体から香りが沸きあがる。味わいも繊細でキラキラしてきれい。それでも泡や要素の調和がまだまだ落ち着いてないようで本来の30%ぐらいの実力で落ち着かせたほうがよさそう。


Maison Penet(Alexandre Penet) Penet Chardonnet Grand Cru Cuvee Prestige Grand Reserve NV(13800)
(メゾン・プネ(アレクサンドル・プネ) グラン・クリュ キュベ・プレステージ グラン・レゼルヴ)
熟成香。りんごの中心部分に紅玉を皮ごと熟させた香りが混じり、たまり醤油などもある。スパイスが多く、泡は落ち着いている。口の中ですぅっと上顎奥辺りに向けて味わいが軽く持ち上がり、すぅっと消えていく。繊維ごと噛んだサトウキビの甘さと風味がある。きれいなおいしさ。濃い色合いの水墨画、絵具の赤が映像としてみえるという意見があり、同じ印象を感じられる。これは本来の50%ぐらいという印象で、形や味わいの密度、味わいの後半が点線で描いたように形が見えてくる。もう少し落ち着かせれば本領発揮しそう。


Maison Penet(Alexandre Penet) Penet Chardonnet Grand Cru Cuvee Prestige Grand Reserve NV(18000)
(メゾン・プネ(アレクサンドル・プネ) グラン・クリュ キュベ・プレステージ グラン・レゼルヴ)
和服にある生地の色合いや質感で、それが漂うようになびいている。ゆったりとした漂う動きは風に吹かれているではなく、水に浮かべたときのようで、友禅流しを近くでみたときのサイズ感としっくりと感覚が合う。この和な色彩と質感を感じることは少なく、とても美しい。香りの要素は甘味のあるいい香りで心地よい。味わいは泡が暴れていて粗めなためか薄く感じてしまう。精神性やコンセプトがしっかりとみえる。これも落ち着かせると香りと味の調和が取れてさらに美味しくなると思う。


魚とスナックの組み合わせ、ハムとシャーシュー


牡蠣とターメリック効いたレンコン、ラグー


パン、オレンジと大根の和え物


コロッケ、ナッツとトマトのオーブン焼き


金陵のアヒルと若鶏蒸し、皮付き豚


パン各種


チーズ各種


イチゴ ←ロゼのタイミングで提供


テリーヌ、ソーセージ


ビスケット、りんご


デザートチーズ、欧風菓子 チロルの生パウンドケーキ





本日のラインナップ、15名で14本。

本日も沢山飲ませていただきました。料理も含めてみなさんごちそうさまでした。
さすがによいスティルワインとシャンパーニュのラインナップなので感性に訴えてきて、立体的な映像や情景がみえるものが多かった。好みでは元々好きな生産者であるアルローが温かく癒される感じがよかった。シャンパーニュではワリス・ユベールは実力が出ていて、現地でフルートグラスで試飲したときよりも色々な情景がみえてよい感じがする。プネはもっと落ち着かせてから再度飲んでみたい。あとで思い出したが、平野弥さんでもグラスを持ち歩き、テラスと室内で試飲すると味わいが全く変わる体験をしており、その影響もあるのかもしれない。楽しい新年ワイン会でした。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休