2014年12月14日日曜日

Domaine Au Pied du Mont Chauve (オー・ピエ・ド・モンショーヴ) 試飲 @平野弥

1週間前の試飲会に参加できず、本日残りを少し試飲させていただいた。当日と比べて豊潤になっているそうです。括弧内は希望小売価格です。

  
Saint Aubin 1er Cru Le Charmois Blanc(サン・トーバン ル・シャルモワ)
オレンジ、いよかん、清見、熟したオレンジ、グレープフルーツ、少しのパッションフルーツなど高いトーンから中域までグラデーションとなった香りがあり、グレープフルーツも一体となっている。香りは、直径10cmぐらいの円筒形が立っており、その中央が膨らんだ樽状になった形で、その上面は柑橘の酸がスライムの頭のようにキュンっと尖がっている。きれいにボディがまとまりがあり、ややふっくらして周囲には栗の実の香りが樽形状から少し離れたところにある。舌に強いトロミがあり、味わいが丸く舌にのる。味わいもオレンジの風味が多く豊潤で、縦に配置した米したような形になっている。その米の内側にミネラルと柑橘の酸味が核の殻のように鋼となってあり、その殻が内側から米の外形を越えて外へと膨らみ、巨大化してくる。澄んだイメージで後半に鋼のような風味が出てくる。
抜栓時には最初から終わりまでサン・トーバンらしい鋼のようだったそうだが、現在は豊潤な香りと味わいになっている。(5700)

  
Chassagne Montrachet En Pimont 2011(シャサーニュ・モンラッシェ アン・ピモン)
ファーストノードでおいしいと分かる香り。ミネラルが平面にバンっと張り、15cmm角の大きさで大理石のテーブルのように下から立体的に飛び出してきている。石灰系のミネラル、その部分には重さがあり、熟したグレープフルーツの実、菩提樹、おしろいがふわんと全体を包み込む。柑橘の皮の成分やパッションフルーツはなく、花蜜の澄んだ甘い香りがある。舌にトロミがあり、舌を中心に熟したグレープフルーツがあり、その表面近くには少しのオレンジが混ざっている。舌の上からうわんうわんと球面状の波になって沸きあがる。広がった空間の中心に湧き出るエネルギーがあるため、空間の外から俯瞰して見ているかのような感覚になる。これはおいしく、お買い得。(6900)

  
Chassagne Montrachet 1er Cru Les Caillerets 2011(シャサーニュ・モンラッシェ レ・カイユレ)
白い花の甘い香りが炎のようにぶわっと立ち昇る。ミネラルが奥にあり、和を感じさせる花蜜の香りが膨らみ、栗を蒸かして温度を落ち着かせたようないい香りが加わる。スワリングすると少しヨードが混じり、何かのガスの成分、オイル感もある。舌にはトロミがあり、味わいはグレープフルーツの外皮と甘皮があり、実は皮と比べると半分ぐらいある程度。味わいは移動せずにその場に滞在する印象。(11300)

  
Chassagne Montrachet 1er Cru La Maltroie 2011(シャサーニュ・モンラッシェ ラ・マルトロワ)
缶にオイルを入れたような香り。金属、オイリーさ、菩提樹が香り、石灰がミネラルと白い花が混じる豊かな香り。舌にトロミがあり、舌先に柑橘酸味がキラリと光り、そこを中心にしてぶわんと味わいが膨らむ。石灰が混じったグレープフルーツが膨らみ、栗の風味がふんわり残る。(11300)

  
Chassagne Montrachet 1er Cru Les Chaumees 2011(シャサーニュ・モンラッシェ レ・ショーメ)
白い花、ぽってりとした甘い花の香り。ゆり、ジャスミン、花の蜜が豊富に香り、ラフランス、洋ナシもある。舌にはトロミがあり、鼻腔にグリーンが出てくる。味わいは3段階の変化があり、最初は何事もなく普通に流れ、その後に舌奥あたりに核が出来て包み込むようにミネラルが湧き出て、口の前方向へ先端が丸い波のように味わいが伝播する。試飲会では1番人気だったそうです。(11300)

  
Chassagne Montrachet 1er Cru Clos Sait Jean 2011(シャサーニュ・モンラッシェ クロ・サン・ジャン)
洋ナシ、白桃、少し種に近い部分の香りもある。白い花、花の蜜、グリーン系のハーブなども香る。舌奥の上面から2cmぐらい浮いたところに2cmぐらいの球体に味わいが集まり、5cmぐらいに膨らみながら後頭部後方へ移動していく。太平の水面が小波のように柑橘の酸味がきれいに波打つ。平面方向に広い味わいだが力強さに生命力とエネルギーがある。(11300)

  
Chassagne Montrachet 1er Cru Les Chenevotte Blanc(シャサーニュ・モンラッシェ レ・シュヌヴォット)
黄桃、白い花、花蜜、和な糖分、ブロックのような金属、グレープフルーツなどが香る。香りに赤ワインのような成分がある。舌奥にタンニンが豊富に出て、舌前方には鶏の出汁の旨味、少し舌にねっとりするのでコラーゲンを含むスープのような感じ。ウズラ料理などに合いそう。バランスがよくおいしい。(11300)

  
Saint Aubin 1er Cru Le Charmois Rouge 2011(サン・トーバン ル・シャルモワ)
ザラメのような甘さのある香り、金属っぽさと、杉、ユリ、小さなバラ、ローズヒップ、おしろいなど、白と同じ香りの成分が多い。舌には粘度がなく、タニック。舌の1点に少しだけ圧力を与え、上顎に薄めの果実味が酸味と共に張り付く。(5700)

  
Corton Grand Cru Clos des Fiètre 2011(コルトン クロ・デ・フィエトル)
ザラメの甘い香り、ローズヒップの赤と黄色の花の香り。タンニンが豊富で干しブドウや凝縮した果実の風味があり、重さはあるが軽やかでスーッと伸びていく。凝縮しつつも澄んだ味わい。(14600)

少しずつ試飲させていただきました。1週間経過しているので本来の味わいは分からないが、果実味が豊富でトロミのある舌触りはルイ・カリヨンに似たスタイルだが、比べると果実味は控えめで澄ませたような印象を受ける。また、どの銘柄にも共通するのは果実よりも花の香りが多く、鉄よりも鋼のような金属の風味を感じられる。赤よりも白ワインの生産者という印象で良心的で丁寧な造りをしている香りと味わい。全体に良心的な価格設定だと思うが、中でもサン・トーバンとアン・ピモンがお買い得。