2013年1月5日土曜日

Domaine Jacque Selosse Substance (ドメーヌ・ジャック・セロス シュプスタンス・エクストラ・ブリュット)

生産 Domaine Jacque Selosse(ドメーヌ・ジャック・セロス)
銘柄 Substance Extra Brut(シュプスタンス・エクストラ・ブリュット)
購入 フランス

  
  
  

テイスティングノート
抜栓するとグツグツと瓶から泡が力強い音を立ててくる。きれいな熟したシャルドネのワインのようでやや赤みかかった黄金色は透明感と旨みが詰まった色合いでそこからきめ細かい泡が立ち上る。泡は縁に海岸の泡粒のようにきめ細かく残る。抜栓したときから漂う香りは妖艶さもまとい熟したリンゴと剥いたばかりのリンゴ、南国フルーツ、上質なコニャック、ライム、オレンジ、洋ナシなど高いトーンから低いトーンまで混沌として集まっている。決してグラデーションのように階層になっているわけではなく、1つのボールのように固まってもないがふんわりと空間に存在する。口に含むと舌にやさしく微量の泡が適度に舌を刺激し、何とも言えない果実の旨みをいくつも兼ね揃えた香りが鼻腔をくすぐる。いくつかの果実のフレッシュな酸味と旨み、熟成した風味が一気に膨らんで広がり、空間を明るく短い光線で点描画のように書き加えていくことで空間そのものがふぁぁーっと明るく広がっていく。ある時はグーっと周囲にあるエネルギーをも吸収しながら20cm大の大きさで地殻のエネルギーのように沸々とみなぎる力を集め、ある時はそのエネルギーを開放するかのように前記のように空間を明るく広げていく。口への運び方によっても味わいの流れが多少変わるが、順序としては酸味は活き活きとしてきて、果実の苦味が深みを与えて、そこから旨みへと変わり、一度静けさを持った後に、それらが一体となって味わいの広がりを見せる。

評価
系統でいうとやさしく明るく寛大なワインで、上質な熟成白ワインに繊細な泡が旋律を軽やかに放ち、シャンパンらしい風味も持ち合わせる。好きなシャンパンの1つで、ジャック・セロスと言えばこのシュプスタンス。本質や要点、実質という意味のシュプスタンスという銘柄名に込められた真意は分からないが、時空間を表現する世界観があり、要素も沢山あるので表現しようとすると必然的に文字が多くなる。

Hôtel Restaurant Les Avisés
59 Rue de Cramant, 51190 Avize, France +33 3 26 57 70 06