2011年11月26日土曜日

ワイン専門店平野弥 新着ワインフリー試飲会


ワイン専門店平野弥さんで開催された「ジャン・フルニエ(Jean Fournier)の秀逸な白ワインと2009年の赤ワイン」を14:00-18:00の間で好きな時間に来てテイスティングするというスタイルのフリー試飲会(時間がフリーという意味で、会費は必要)。白ワイン5種類赤ワイン7種類合計12種類となっている。お店前のデッキには透明な屋根と壁が出来た。本日はこのデッキが試飲会場。


まずフリー試飲会の前に比較で赤をいただく。
・Chateau Coulonge rouge A.C.Bordeaux Eleve dans la Tradition 2009(シャトー・クーロンジュ・赤)
少し紫が強く透明感がある。若草、スーットする香り。味わいは甘味があって柔らかい。果実味がふわっとしていて香り、味わいともに明るいトーン。おいしくコストパフォーマンスが高い。

・Chateau Coulonge rouge A.C.Bordeaux Eleve en Futs de Chene 2008(シャトー・クーロンジュ・樽熟成・赤)
森の日差しが入らないところでじっとしている印象の黒を感じさせる香り。味わいも中低域で静かに黒をベースとした薄い層の上に果実味が大人しくのっている。こちらの方がボルドーらしい味わいだが、前者の方が樽が効いてないために素直な味わいで果実本来の香りや甘味が感じられて好み。ボルドーらしい味わいが好みの人にはこちらの方がいいと思う。


会場に移動。写真は先ほどランチでお邪魔したthe EARLY BIRD cafeのグラノーラ。


・Bourgogne Aligote Champ Forey V.V. 2010(ブルゴーニュ・アリゴテ シャン・フォレ ヴィエイユ・ヴィーニュ)
スーッとする柑橘系果実、それに寄り添うように花の香りが纏わりつき、甘いバニラと少しの漢方薬の香りもある。口に含むとグレープフルーツの酸味、鼻に抜ける果実の蜜があり、ピリリとした酸味とグレープフルーツの甘皮やオレンジビールの苦味がくる。全体に高いトーンで繊細な味わい。アリゴテの枠を超える上品さがある。おいしい。エチケットが黒いタイプがスペシャルキュべ。


・Bourgogne Blanc <> 2009(ブルゴーニュ・ブラン・クエスチョン)
青に黄緑が入った凛とした香りでミネラルも感じる。味は酸とミネラルが基底にあり、その上に少し果実味がのっかっていて、後半に行くしたがってその果実味が伸びてくる。おいしい。


・Bourgogne Blanc <les avoines pinot blanc > 2009(ブルゴーニュ・ブラン・ピノ・ブラン)
藁やヨード、ふすま、珪藻土などが香り、奥にミネラルがいる。味はヨードの苦味が濃い味となっていて、純米の山廃仕込など少し個性がある日本酒っぽい。日本酒好きや日本酒に合わせる料理に向きそう。


鯵の発酵させたものとさつま揚げ。この鯵はバリバリの和風でクエスチョンを合わせて飲むと、ワインの味はなくなるが鯵の鯵が数倍に膨らむ。この鯵をメインにしてソースとして入れ込むといいかもしれない。


・Marsannay Blanc Cuvee Saint Urbain 2009(マルサネ・ブラン キュヴェ・サン・チュルバン)
白い花びらが大きな花、甘い白果実、少しのヨードが香る。口に含むと上顎後方に果実味が塊まり、舌には甘味が薄い膜としてのる。果実の塊はさらに後方に進んでいく。余韻に焼き芋の風味が少し出る。おいしい。


・Marsannay Blanc Clos du Roy 2009(マルサネ・ブラン クロ・デュ・ロワ)
今回唯一のガラスキャップ。ミネラルが川の渓流と清流の中間ぐらいの深さを持ち、周囲に白い花が膨らむ。果実と蜜が柔らかいふわっとした丸い球体となり一体感を持つ。果実味はキュヴェ・サン・チュルバンよりも強めで、バランスがいい。



ここで白5本が終了。食事は平野弥さんが準備してくれた仲町台に新しくできたパン屋さんのパン。KDさんが持ち込んでくれたローストビーフ、金陵のネギ塩の鶏、皮付き豚、コンビーフ。


・Bourgogne Rouge 2009(ブルゴーニュ・ルージュ)
華やかな明るい赤果実が香る。口に含むとミネラルがツーっと進み、舌先に酸味と果実味がいる。味わいは薄めだがバランスがいい。


・Bourgogne Rouge Les Chapitre V.V. 2009(ブルゴーニュ・ルージュ レ・シャピトル ヴィエイユ・ヴィーニュ)
赤い甘い果実が柔らかく香る。口に含んでも果実味がやわらかく甘い。舌奥と上顎奥に酸味と果実味が丸いエネルギーとなってほわほわとしている。前者と同じACブルだが格が違う。1ランク上の味わい。おいしい。


・Marsannay Rouge Cuvee Saint Urbain 2009(マルサネ・ルージュ キュヴェ・サン・チュルバン)
深く黒い香りで果実のボリュームがある。味は赤黒果実で、舌には味がのらず後方により凝縮したボリュームがあり、余韻で酸味とミネラルがきれいに伸びる。おいしい。


・Marsannay Rouge Clos du Roy 2009(マルサネ・ルージュ クロ・デュ・ロワ)
丸く甘い果実の香り。味わいは澄んでいて後頭部の少し前ぐらいの位置にエネルギーが集まってグーっと強くなってくる。梅風味や繊細さが正にブルゴーニュらしい味わい。


・Marsannay Rouge Les Echezots 2009(マルサネ・ルージュ レ・エシェゾー)
丸い赤果実の香り。口に含んだ瞬間から酸味がボリュームを持ち、梅や高いトーンの赤果実、冷涼さが出てくる。安定した味わいでバランスがいい。おいしい。


・Marsannay Rouge Les Longeroies 2009(マルサネ・ルージュ レ・ロンジェロワ)
香りの要素やボリュームは前者のエ・エシェゾーと同じくらいだが、比較すると少し暗く深みのある香り。味わいは黒さを感じさせるやや濃い核がある。その周囲に果実味などがいるが核の方が強い。全体としては澄んだ味わいで、バランスが取れてくるとおいしくなりそう。


・Gevrey Chambertin 2009(ジュヴレ・シャンベルタン)
甘い香りと深み、丸いボリュームと、黒さやスパイシーな香りがあり、澄んだタイプのジュヴレ・シャンベルタンの香りがする。味わいも澄んでいて、鉄分も十分あるのでガッシリとした印象を受ける。


赤も含めて12本が終了。KZさんが持ち込んでくれたラ・フランス。夕暮れになるにしたがってデッキは寒くなってきたので室内で移動。


・Philippe Pacalet Beaujolais Vin de Primeur 2011(マルセル・ラピエール・ボジョレー・ヌーヴォー 2011)
甘い果実、中核のあるベリーAの香り。味はチョコレート、甘味苦味の後に酸味がツーンとくる。数日前に抜栓されたもので、開けたてはもっとフルーティさが前面に出ていたそうだ。自然な味わい。




KZさんのご自宅で取れた柚子を沢山いただいた。やはり柚子は香りがいい。夕闇のデッキはいい雰囲気。

本日もおいしいワイン、料理を沢山楽しませていただきました。ご馳走様でした。ジャン・フルニエらしい澄んだ色、香り、味が新着ヴィンテージにも現れている。そして繊細という点はすべてに共通する。どれもさすがというおいしさだったが、好みからすると、白はアリゴテ、キュヴェ・サン・チュルバン、赤はレ・シャピトル、キュヴェ・サン・チュルバン、レ・エシェゾーがよかった。前のヴィンテージも含めてコストパフォーマンスはどれも高い。