主催 ワイン専門平野弥
テーマ ワインの品種
先月に区切りをつけて、新たに今月からの新講座となるテイスティング講座。初回ということでワインの品種がテーマとなった。
・Château les Dames de la Renardière Entre deux mers blanc 2007(シャトー・レ・ダム・デ・ラ・レナルディエール アントル・ドゥ・メール 白)
テリが少しありグリーンが入った色合い。香りには、柑橘系、スーッとするお菓子のラムネ、レモン、グリーン系ハーブ、龍角散にある漢方のハーブ、水に溶かした糖分で通常のシロップよりかなり薄いもの、レモングラスなどがある。口に含むとややトロミがあり、酸の上にボリュームがある果実味と甘味がのり、グレープフルーツの甘皮がなく粒の部分だけが爽やかに広がる。酸が1本の軸となり、その周囲に果実味が覆っていて、さらにその果実味の周囲で、小さな酸が瞬いている。
品種はソーヴィニヨンブランで正解。セパージュはソーヴィニヨンブラン70%、セミヨン30%で、確かに時間を少し置くとセミヨンのコクが味わいに出てくる。ラムネと表現した部分は、ワイン用語でいうとジャスミンで、動物臭と紫の花が合わさるとジャスミンになるらしい。確かにジャスミンは香りの要素にあり、動物臭と紫の花にも嗅ぎ分けられるが、他のカンファー(樟脳:しょうのう)や白胡椒などの要素と合わせて捉えるとラムネが先にくる。価格は2000円台なら安いと思ったが小売価格で2000円。安い。
・Domaine Cordier Père et Fils Pouilly Fuisse Vieilles Vignes 2009(ドメーヌ コルディエ プイィ・フュイッセ ヴィエイユ・ヴィーニュ)
グリーンが少し入った色合い。落ち着きある香りで、菩提樹の花の甘くほわほわしたものや白桃、爽やかな成分や香木、炭酸グレープなども香る。口に含むと酸が平面状に広がり、飲み込むとショコラなどコクがある成分がフワっと鼻腔を抜け、甘皮を含んだグレープフルーツの実の酸味や苦味がある。果実の酸味と苦味が少し太い軸となってガーンと立ち、その周囲に甘い香りや成分が漂っている。グレープフルーツの風味が心地よい。
品種はシャルドネで正解。価格はドニ・モルテのAOCブルゴーニュ2008と同等と考えて3000円程度としたが、小売価格は4500円。オープンされて銘柄を見ると、明らかに現状ではV.V.ではない村名のPouilly Fuisseの方が安くておいしい。ポテンシャルはすごく感じるので、半年もすれば逆転しそう。
・E.A.R.L. Burle Vacqueyras 2009(ビュルル ヴァケラス) @Côtes du Rhône
濃くグラスを明かりに向けても透き通らない。香りはぶどう本来の甘い果実香、中域に何かしらのスーッとする果実があり、それがふわーっと膨らむ。綿菓子のような柔らかくやさしい甘味もある。苦味を持ったミントや、花の香りを色でイメージすると黒に濃い黄色、その奥に少しのオレンジがある。口に含むと舌にシワシワとタンニンが入り込み、薄めの澄んだぶどう水が舌に薄い層としてあり、さらにその上にタンニンをいっぱい含んだ果実がのっている。
南仏のジゴンダスやラングドック、ルーションを思わせたので、品種はグルナッシュ、シラー、ムールヴェドルなどを予想したが、正解はグルナッシュ80%、シラー20%。小売価格は1500円ぐらい。
・Domaine Mathilde et Yves Gangloff Cote-Rotie La Sereine Noire 2005(マティルド・エ・イヴ・ガングロフ コート・ロティ ラ・スレーヌ・ノアール)
これも色が濃く光を通さない。香りは濃くて黒いイメージ。動物臭がふわーっと広がり、果実と混じるといい香りになる。八角や、黒胡椒、黒オリーブなども香る。口に含むとタンニンが豊富で、舌にシワシワと入り込んでくる。皮が厚いぶどうの実を皮ごと口にしたような感覚で、果実味や苦味などの要素がグーンと力強く進んでいく。
品種はシラーで一応正解。ガングロフのコート・ロティなので小売価格は12000円。要素は沢山あるので4-5年寝かせるとすごくおいしくなる。ガングロフはおいしくなるまでの時間が長いが味わいがすばらしいバランスになる。
・Domaine Gerard Quivy Charmes-Chambertin Grand Cru 2005(ジェラール・キヴィ シャルム・シャンベルタン)
IMさんがガングロフをピノ・ノワールと予想したので、これを比較で出された。バラなどがほわーっと飲み手を囲むかのように美しく香り、味わいは清流のような浅く流れは速くない水源やミネラルと柔らかく上品な果実の甘味がほわーっとのる。
ガングロフのシラーにあるスミレのような香りの要素や、味わいにある果実の質感が似ている。水源やミネラル、透明感でフランスであればピノ・ノワールと言えるが、例えばオーストラリアのピノ・ノワールとガングロフを比べたりすると難しいかもしれない。ジェラール・キヴィの小売価格は20000円。
・Château les Dames de la Renardière Aoc Bordeaux Supérieur 2001(シャトー・レ・ダム・デ・ラ・レナルディエール スーペリアル)
トウモロコシなどがモアーっと香る。生食のぶどうの味で、薄めのぶどうの味わいとタンニンが別に存在している。要素としてはいいが今はバランスが取れていない。2001年でこれだけ分かれているのでいつに融和するか分からないが馴染めばおいしくなりそう。1本目と同一ドメーヌのフラッグシップワイン。小売価格3000円ぐらい。
本日のラインナップ
L'Atelier du Vin 1926のWine Discoveryというワイン香りキットで香りの確認。
平野弥の店前のデッキに屋根の骨格が出来た。今後はここでテイスティングができる予定
オードブル。お食事セット。
パン2種類。金陵の鶏肉や豚肉。
サラダ、チーズ、茄子が出来たということで考えられたSGシェフお手製のムカサ。
・POMO DE AMO 洋ナシのタルト(ポーモ デ アーモ)
本日はスイーツ担当となって買ってきたポーモ デ アーモの絶品生クリームがたっぷりのケーキ。この生クリームは上品でとても軽やかでフルーツとのバランスがとてもいい。食事後でかなりお腹がいっぱいでも軽く食べられてしまう。しかも、これを食べた後にワインに戻ることができるというお気に入りケーキ店の1つ。
本日もおいしいワイン、料理をご馳走様でした。1本目のChâteau les Dames de la Renardière白がコストパフォーマンスが高い。ジェラール・キヴィは安定したおいしさ。平野弥のデッキが完成して、そこでテイスティングできるのが季節的にもよくて楽しみ。