2011年3月27日日曜日

Fさん主催のワイン会 @ワイン専門 平野弥

昨日たまたま平野弥でFさんと会い、明日ワイン会をやるというお誘いを受けて参加させていただいた。


フキノトウ、椎茸などの天ぷら。苦味があって春らしい。春雨サラダはタイ風でスパイシー。パンはPaul Bocuseのチーズシリーズ。


Domaine Francois Raveneau Chablis Grand Cru Blanchot 1995
(フランソワ・ラヴノー シャブリ・グランクリュ・ブランショ)
もあっとした雰囲気は要素が多くて一度に香りが入ったときのもの。そこにはショコラ、コーヒー、白い大きな花、他にも色々な要素を混然として集まり、密度は高いがほわほわした形で空間に香りが浮いている。味わいもそれに支配されるが、少しすると酸やミネラルの厚い層が後半に顔を出して見えてくる。この相反する要素が同居する様はさすが。


アスパラと椎茸の肉巻き。ツナのムース。Paul Bocuseの日曜個数限定パン。


Philippe Pacalet Pommard 1er cru Les Chanlins 2005
(ドメーヌ・フィリップ・パカレ ポマール・プルミエ・クリュ・シャンラン)
古酒のような淡い混沌とした色合いで、ガクンと落ち込む深み、全体の厚みがあり、酸、ミネラルともにバランスよく、時間が経つと梅ジソの風味。豊富なタンニンも出てくる。
この後に出てくるオーディフレッドのポマールと比較するために持ってきたもの。ラヴノーとバタール・モンラッシェの間に赤の柔らかいのを入れようということで、こちらを先に開けた。


パスタ。野菜のみじん切りがソースになっていて、スパイシーな辛味もある。


Domaine J.M.Boillot Batard-Montrache Grand Cru 1996
(ジャン・マルク・ボワイヨ バタール・モンラッシェ)
香り、味わいともに核があるのに雲のようにホンワカしていて、どこまでもほわほわとしている。ラヴノーと同様に相反する要素がいて、それでいてその境目が見えないという状態。
「バタールは何も考えずに飲めるのでいい」というFさんの話に納得。


Frédéric Esmonin Chambertin Grand Cru 1999
(フレデリック・エスモナン シャンベルタン グラン クリュ)
すごい香り。圧倒的な存在感とトコトン深みのあるフローラルな香り。日の光があまり入らない場所に、黒を主体として、赤、紫が入った色をイメージさせる水面があり、その湖は海のような深さを感じさせながら、その湖表面なぜか中央が緩い円錐状に凹になっている。そして、この香りを嗅げば嗅ぐほど、その中央部の深みにグイグイ引き込まれていく。光のないブラックホールに吸い込まれていくような感覚。味わいも香りに対するように深み、厚みがあり、ジーンと長く、途切れなくずっと続く。球体の核もある味わい。
これはすごい。Nさんも「やばい!」を3回ぐらい言っていた。凄すぎる。


ジビエの鹿肉。ブルーベリーなどのソースで和えられている。肉は柔らかく、噛めば噛むほど肉々しい旨みが出てくる。一番右は調理前の生肉。きれい。


Domaine Georges Mugneret Ruchottes-Chambertin Grand Cru 1998
(ジョルジュ・ミュニュレ リュショット・シャンベルタン)
厚みと深みのある香り。口に含むと、球体のエネルギーがぼわっとソフトボール大に現れる。その球体は密度が高いのに柔らかで、少し違うがゲル状の中に果実や酸味、ミネラルが密度高く内包している感じ。それぞれの要素は個別に表へポンとは出てこないが、その球体の中でそれら要素はとてもバランスされている。


Domaine Audiffred Pommard 2008
(ドメーヌ オーディフレッド ポマール)
透明感ある色合い。酸とミネラルが香り、少しジャムのような香りもひょこっと顔を出す。味わいはミネラルと酸味が基底に豊富にあり、渓流にある水源のように綺麗で澄んでいて、そしてジーンと自然に余韻まで長く流れていく。
これは是非飲んでもらいたくて持ち込んだもの。日本に輸入されているオーディフレッドのワインは壊れていることが多いらしく、日本での評価はイマイチな気がする。これはドメーヌを訪問したときに購入して持ち帰った状態が完璧なもの。平野さんに好評でよかった。オーディフレッドのワインを飲むと、その澄んで純粋なところに、目が覚めるような思いやハッと感じるところがある。このポマールはドメーヌで試飲したときには肩幅ぐらいの赤く明るいトーンのフローラルな香りが発っていたので、今回はもう少し早く抜栓した方がよかったかもしれない。


シュークリームまでSシェフの手作り。エスプレッソの豆もFさん提供品。




本日のラインナップ。本当に豪華なワインをFさんご馳走様でした。特に、フレデリック・エスモナンのシャンベルタンは衝撃的な凄さ。本当にびっくりした。Fさん、Sシェフ、平野さん、Nさん、ありがとうございました。