2010年2月27日土曜日

カリフォルニアのシャルドネ&ピノ・ノワールの会

ワイン会 カリフォルニアのシャルドネ&ピノ・ノワールの会
主催 SEIさん @Vin et cuisine A.k.

SEIさん主催のワイン会。場所はいつも通り、A.K.さん。



・Kistler Chardonnay Durell Vineyard (キスラー シャルドネ デュレル 2000) ※グラス左
 黄金の入ったきれいな色。高級ショコラ、上品な栗、トロピカルフルーツなどが変わり、時間が経つと
 ふわふわとしたマスカルポーネの柔らかく甘い香りや蜜や3種類ぐらいのトロピカルフルーツが
 混じった深みを持つ香りになってくる。
 味わいは少しボリュームを持つが酸がきれいでスーッと入っていく。上品。ハムの燻香も出てくる。

・Kistler Chardonnay Sonoma Coast 1999 (キスラー シャルドネ ソノマ・コースト 1999) ※グラス右
 ちょっと驚くぐらいのオレンジの入った赤っぽい色合いで、厚みを持ったトロピカルフルーツや
 ヨーグルト、ショコラからくる深みのある黒い甘い香り。口に含むとスーッと入り、柑橘系の香りが
 鼻をすぐに抜けていく。黒く重いイメージがズッシリと舌にのしかかる。
 時間が経つと、酸が伸びてくる。世界観がある。



・アボガドとマグロのサラダ
 少しトロミのあるアボガドとマグロ、酸味と旨味のあるソースで、デュレルと合わせるとマグロの生っぽさ
 が出るときがあったが、ソースか甘エビやピクルスか、何かの要素の混ざり具合によって大丈夫と
 なる。ソノマ・コースとの方が相性がよかった。



・牡蠣のコンフィ
 蒸し焼きされたような牡蠣は生っぽさはなく、旨味があり、身も柔らかい。酢漬けの酸味があり、
 スッキリしている。キスラーとは何事もないように合わせられる。



・雲丹のパイ包み
 帆立の香りや味、歯応えが主体でクリームや雲丹が下支えし、バターの利いたパイ生地と上に
 のった葉の苦味がアクセントになり、一体感を出す。
 デュレルと相性がよく、ソノマ・コーストと合わせるとワインの波が大きく、覆いかぶさってしまう。



・Calera Selleck vineyard Pinot Noir Mt.Harlan 1997 (カレラ ピノ・ノワール セレック)
 力強い香り。梅、獣臭、暗めで低域な香り。甘味があり、口に含むと一瞬間があり、ギュッと深みに
 沈み込み、すぐに戻った後にズズーっと伸びていく。深い厚みのある層があり、引き込まれる印象を
 受ける。妖艶な雰囲気も持つ。時間が経つと、オレンジや柑橘系、皮、梅シソなどの香りが現れる。

・手打ちパスタ
 ベーコンとトマトと手作りパスタで、肉汁の旨味などが出ていて、伸びるシャープな酸味がある。
 ワインを何種類かジャボジャボ入れて酸味を出させたそうだが、煮込んでもこんなに酸が活きるとは。
 カレラとは似た雰囲気があり、当然のように相性がよい。



・Au Bon Climat Pinot Noir Santa Ynez Valley Sanford & Benedict Vinyard 2000
 (オーボン・クリマ サンタ・イエズ・ヴァレー サンフォード・ベネディクト ヴィンヤード)
 ブルゴーニュっぽさがある。果実味もあり、スミレ、冷涼な雰囲気で、甘味もあるがまさにブルゴーニュ。
 梅ジソや石鹸などの感じがあり、時間が経つと硬質なミネラル感が出てきて、シャンボールっぽさが
 出てくる。ブラインドだとブルゴーニュの1er級。すごい。(ドメーヌ名はABCと略されることが多い)

・Au Bon Climat Pinot Noir Arroyo Grande Valley "Rincon & Rosemarry's" 2000
 (オーボン・クリマ アロヨ・グランデ・ヴァレー リンコン・ローズマリー)
 重心据わった骨太な香り。厚みがあり、酸やミネラルも香る。濃縮したベリーやブラックチェリー、
 ハーブなども入り、カレラのセレックっぽいエキスや圧倒してくる雰囲気や風味を持つ。

・鴨、レバーのカシス風味
 鴨には柚子胡椒が載せられている。単独では鴨肉の旨味に柚子胡椒の柔らかめのピリッと感と
 塩味が利いてよいのだが、赤ワインとはどうかなぁと心配していた。心配を他所に、オーボン・クリマ
 のサンタ・イエズといい感じに合う。ワインの硬質なミネラル感と柚子胡椒の硬質な塩味、柑橘系が
 少なめなワインと補完しあうのだろうか。 レバーは果実の甘味がのったタレで上品。ワインともOK。



・ミートローフ
 ソースも含めて、ふわふわのハンバーグという感じ。ソースは甘味、酸味、クリーム感。
 添えられているポテトペーストが程よい焦げの風味と甘味があり、おいしい。
 このミートローフを食べる前からかなりお腹がいっぱいになってしまった。



・Armand Rousseau Mazy-Chambertin Grand Cru 1999 (アルマン・ルソー マジ・ヤンベルタン)
 冷涼な澄んだ伸びのある香り。梅、スミレ、黒紫の印象、獣臭などの香り。
 旨味が舌にのり、酸も柔らかな膨らみにのって進んでいく。旨味要素が多い。
 1時間ぐらい経つと、軸がしっかりして伸びは残るが、弱々しく、横には伸びなくなる。最初から弱め。

・Armand Rousseau Gevrey-Chambertin 1er Cru Clos St.Jacques 1999
 (アルマン・ルソー ジュヴレ・シャンベルタン クロ・サン・ジャック)
 フルーツの香り。パーティクルの密度が高い。中央に核があり、周囲に半径が半分ぐらいの球体が
 密集してついており、これらの塊が集まっている印象の味わい。決して濃いわけではなく、酸や
 ミネラルなどはきれいに活きており、一瞬果実や旨味がふわっと膨らんだあとはスーッと伸びていく。
 塩味、小さい海老などの甲殻類、それらを合わせて上質なかっぱえびせん、そしてカレースパイスの
 ような風味もある。酸が基底にあり、旨味が上にのって、酸が先行しながら伸びていく。
 まさにブルゴーニュのジュヴレ・シャンベルタンの王道の味わい。さすが、おいしい。



・りんごのタルトフランベ、バニラアイス添え
 りんごの酸が基調にあり、澄んだ風味のリンゴで、タルトのパリパリの焼き加減がよい。
 バニラアイスの生クリーム感が支持してバランスがよくなる。



小布施ワイナリー 小布施ブラン 2009
 A.K.さんからブラインドで提供されたワイン。
 香りが華やかでいくつもの柑橘系を濃縮した系統の香りで酸が澄んでいる。
 ドイツ系品種は間違いないが、リースリングではないし、GWでもなく、飲んだことがあるけどなんだ
 ろう、ドイツ系品種が得意な新潟のカーブ・ドッチや、すごく近くにあるフェルミエに近いニュアンスが
 あるが、そちらの方がもっと酸が強いし、これはもう少し柔らかい。
 正解はSogga pere et fils ということで、北海道の葡萄を使ったもので、基本はケルナー。
 ワイナリー訪問したときも試飲してないもの。なるほどと思える味わい。




本日もおいしいワインを沢山飲ませて頂きました。ご馳走様でした。
オーボン・クリマはキュベによって、ほぼブルゴーニュのニュアンスだったり、カレラの風味だったり
非常におもしろかった。本日一番はアルマン・ルソーのクロサン・ジャックで、オーボン・クリマの
サンタ・イエズもおいしく、カレラのセレックとオーボン・クリマのアロヨが同格に思えた。ABCやるな!