2009年11月20日金曜日

ドメーヌ・ルシー・エ・オーギュスト・リニエ 極上のモレ・サン・ドニを楽しむ会

ワイン会 ドメーヌ・ルシー・エ・オーギュスト・リニエ 極上のモレ・サン・ドニを楽しむ会
       クロ・ド・ラロッシュおよびモレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュの比較試飲
主催 ワイン専門平野弥 @Vin et cuisine A.k.

・ドメーヌ・ルシー・エ・オーギュスト・リニエ Lucie et Auguste Lignier
 故ロマン(ユベールの息子)の妻ケレンが運営するドメーヌで、オーギュストとリニエはユベールの
 孫にあたる。2004年はユベール・リニエが醸造と樽熟成をし、ケレンが瓶詰めをしたもの(平野さん)


いつものように軽い挨拶。そして、泡はないので白ワインで乾杯

・ Fixin Blanc 2005 (フィクサン ブラン)
 栗、バニラ香、そしてほんのちょっと柑橘系の香りがあるが、全体を覆うように柔らかく包まれている。
 厚みありながら柔らかく、舌前方に微弱電気のようにピリピリとする。酸がギュンと立ち上がるが
 ホワホワ柔らかい味わい。
 舌上に薄い層の面があり、その上に厚みのあるボリュームがのっかっている印象。
 時間が経つと、アカシアや花の蜜の香りや、余韻に栗の渋皮が風味が出てくる。


・牡蠣の揚げ焼き ブールブランソース、柚子を添えて
 衣をつけて揚げるように焼いた牡蠣はバター風味があり、刻んだ柚子がアクセント。
 Fixinと合わせるとワインの酸がなくなり甘くなる。そして中盤から柚子がきれいな線で発つ。
 余韻にグレープフルーツの渋皮。
 合わせると ワイン、料理ともに印象がかなり変わり、食事としての完成度が上がる。


・鯛のソテー アンチョビクリームソース
 柔らかい肉質の鯛でややしっとり感がある。アンチョビ風味がひょっこり顔を出すがクリーム
 ソースがマロヤカにまとめている。下に敷いたバジルソースはどこかやさしい風味。
 Fixinと合わせても全く生臭くなく、ワインの樽香が中和され、バジルソースがふわっと発つ。


・Morey Saint Denis 1er cru la Riotte 2004 (モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ ラ・リオット)
 低い重心の深いいい香り。スミレ、ベリーなど濃い紫から黒を想像させる香り。
 中域の深く流麗であるがどこか先の見えない深淵な空間を想像させる。
 口に含むと、酸が喉の奥までスーっとかなりの速さで突き抜けていき、液体は柔らかくも
 ビーンと響いてくる。でも柔らかいタッチ。


・Morey Saint Denis 1er cru Cuvee Romain Lignier 2004
 (モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ キュベ ロマン・リニエ)
 ラ・リオットと香りの基本構成は同じだが、比べると香りの要素が増えている。瓜系の香りが
 見え隠れし、獣臭があるため、赤肉やジビエに合いそう。
 味わいはヨーグルト風味もあり、舌上の面からビーーーンと広がる。余韻に苦味あり。

・タルトフランペ いつもよりチーズを多めに
 カマンベール、マンステール、カレドブルターニュの3種のチーズを使ったタルトフランペ
 ロマン・リニエと合わせると、タルトの焦げかベーコン燻製?の風味がふわーっと立ち昇る。
 余韻にクミン、黄色いスパイスの香りがすごく広がる。


・Morey Saint Denis 1er cru les Chaffots 2004  (モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ レ・シャフォー)
 華やかな香り。バラ、牛蒡、スミレ、根セロリなど要素が沢山あり、さらに深淵。
 味は酸が利いているが柔らかく、牛蒡風味がある。
 時間が経つと甘く、獣臭、いくつかのハーブ、漢方薬、氷砂糖、コーヒー、煙草、金華ハムなど
 さらに香りの要素が溢れてくる。おいしい。

・Frederic Magnien - Morey St-Denis Les Monts Luisants 2000
 (フレデリック・マニャン モレ・サン・ドニ モン・リュイザン)
 SEIさんの差し入れ
 栗と酸を感じさせる香り。軟水のような舌触りでレモン水のような味わい。
 温まると鉄っぽい味わいが出てきた。


・Clos de la Roche 2004  (クロ・ド・ラ・ロッシュ)
 成分はレ・シャフォーと共通だが、温かく感じる香り。
 味わいはかなり硬い。深みや深淵さは分かる。酸が水面の波のうねりのように幅をもった中心から
 緩やかな振動で味わいが膨らむ。時間が経つと、トースト香、深い香りがジワジワとくる。
 また、渋み、苦味成分が多い。


・鹿肉の煮込み
 鹿のばら肉を5日もかけて調理した一品。色々な部位が使われている。
 ハムやモツっぽいところ、赤肉部分などがあり、脂をうまく落として調理されている。
 クロ・ド・ラ・ロッシュと燻香がすごく合う。噛んでいくと、鹿の甘味と旨味が膨らむ。


・シャーベット
 バラの香りが柔らかで、紅茶のディンブラに少しセイロンが入ったようないい香り。
 カシス風味の味わいで、実も残っており、粒々感も楽しめる。アンズの味がストレートで風味豊か。

・Bolthasar Ress - Hattenheim Nussbrunnen Riesling Auslese 1999
 (バルタザール・レス ハッテンハイム・ヌスブルンネン・リースリング・アウスレーゼ)
 こちらもSEIさんの差し入れ。
 リースリングの香り。プラスチックっぽさと、白い粉、白い花の香り。
 舌縁にピリピリっと刺激が走り、最初に甘味で後半さっぱり。



本日もSEIさん差し入れ2本を含め、8本と沢山飲ませていただきました。ご馳走様でした。
クロ・ド・ラ・ロッシュはかなり硬く、味わいの表情はほとんど見ることができなかったが、それ以外の
ものは1-2年前に飲んだときと比べ、樽の強さも和らぎ、おいしく飲める状態になっていた。
本日のラインナップの中では、他より1段上のレ・シャフォー。香りの要素が多く、おいしかった。