2008年10月19日日曜日

ブラインドによるワインテイスティング講座  2008年10月

イベント ブラインドによるワインテイスティング講座
主催  ワイン専門平野弥
テーマ 石灰質と粘土質での比較

今回、出場の7本





まず、白2本
①Chateau-Fuisse Les Combettes 2005 (コンベット:石灰質)
  薄い金色、甘い果実、南国のパッションフルーツ、バニラの香りがありスッキリしている。
  時間が経つにしたがい濃い桃やパンの焦げ、乾し葡萄の香りが発ってくる。
  とろっとして、舌の上に転がる。甘味が優しく包まれ、少し栗っぽい甘味もある。
  後味に蜜の甘味。

②Chateau-Fuisse Les Brules 2005 (ブリュレ:粘土質)
  薄い金色、深く濃い甘い果実と少し黒い印象を受ける香り。
  メロンなどの南国フルーツ、パンの焦げた香り。
  さらっとして口に広がり、綺麗に後味が消えていく

石灰質は舌にのった瞬間から味わいが同じ強さで持続するが、粘土質は力強く押してくる
舌先にのった瞬間を捉えないと分からない。
通常のミネラルと表現する鉱物的な味わいからは判断できないもので、かなり難しい。

そして、赤2本
③Domaine Arlaud Morey-Saint-Denis 2004(粘土質)
  オレンジや紫の入った明るく透明感ある色合い
  ジャムや苔桃、澄んだ甘いいい香り。樽の香りや泥くさくもあるが、全体的に明るい印象の香り
  舌先を刺激する、フランボワーズ、ベリーなどの赤果実の澄んだ味わいだが、樽の後味が
  強く残る。時間が経つとすっぱくなった

④Jean Boillot&Fils Beaune 1er Cru 2004 (石灰質が多い泥はい土)
  やや深めの紫の入った色合い
  ハーブ、草、芝生のトップノードに、ジャムや苔桃、スモモの深い香り。樽の香りがあるが
  全体的に落ち着いた印象の香り
  サラリとして、渋み、赤い硬い木の実の味わいと、泥臭く、ボケた印象もある
  味は弱く、ヘロヘロで、樽は強め

白で受けた石灰質と粘土質の違いから推定できた。やはり舌先にのった瞬間の広がりが異なる。
なお、2004年ビンテージはどうしても泥臭さが出てしまうとのことだった

明確に把握するために追加された白貴腐1本
⑤Robert Schoffit
 Tokay Pinot Gris Clos Saint-Theobald Selection de Grains Noble 1999(Alsace Grand Cru)
  グリーンの入った薄めの金色
  リンゴのような酸の香りがある凛とした印象
  ピリッとした酸とバナナ風味のある味わい。

完全な粘土質の土壌ということで出されたが貴腐なので味わいはかなり異なる。
しかし、やはり舌先にのった瞬間に棘のない丸い塊が押し寄せて迫ってくる。
デザートワインとして非常においしい。


ここからは持ち込み編
⑥Domaine Julien Meyer Riesling 2000 Alsace Grand Cru (ジュリアンメイエー)
  他の参加の方が提供してくれた1本
  リースリングらしい特徴がストレートに出た香りと味わい
  リースリングは癖があり、トゲトゲしいものもあるが、これは柔らかで上品

⑦Spy Valley Marlborough Noble Riesling 2006 (スパイバレー)
  今回、店主向けのブラインドに持ち込んだ1本
  「おいしいのを」という希望だったので、おいしさとコストパフォーマンスのよいものを選択

  味わいはリースリングの特徴が出ており、ニュージーランドらしい冷たいもやさしい風を
  感じさせる味わいで、貴腐ワインとして傑作。心地よい酸があり、味わいに深みがあり
  品のよい甘さがある。余韻も非常に綺麗。

  いつも購入していた店で完売のため、今回向けに在庫を探し、別の店舗(有名デパート)で
  購入したが残念なことに高貴なマーマレードの香りが飛んでしまっていた。管理面が原因でしょう。
  最高のポテンシャルを味わってもらいたかったのに悔やまれる。   とはいえ、味は問題なく、
  参加の方に非常に好評だった。うれしい。