2012年11月10日土曜日

平野弥ワイン倶楽部テスティング会

  
急遽開催が決まったワインテスティング会。ブルゴーニュ優良生産者の村名クラスが本日のテーマ。勉強会ではないので銘柄はオープン。さらに初めから食事もセッティング。

  
Emmanuel Rouget Bourgogne Passetoutgrain 2009 (輸入:ヴィノラム)
(エマニエル・ルジェ ブルゴーニュ パストゥグラン)
番外編としてすでに開いていたルジェさんのパストゥグラン。平面で波紋が広がる香り。鼻に抜ける果実はおいしさを表す香り。口に含むと柔らかい口当たりで底からミネラルと酸味が平面状態のままファーっと浮いてくる。輪郭が柔らかくやさしく、横に広い楕円状のエネルギーが中央にある。薄いがやさしい。おいしい。ルジェさんを前提として4500円ぐらいの味わい。

  
  
  
  
食事の数々。いつもの金陵さんのアヒルや皮付き豚、チーズ各種、パン各種など多数。

  
Sylvain Dussort Bourgogne Blanc Cuvee des Ormes 2009 (輸入:ラフィネ)
(シルヴァン・デュソー ブルゴーニュ・ブラン キュベ・デ・ゾルメ)
ふわん、モワンとしたムルソーらしい香り。柑橘系がおしとやかにあり、鼻の蜜や菩提樹の花が香る。やさしい口当たりで強い蜜や旨味もたっぷりある。最初のアタックが柔らかいが強く、後半は薄め。アタックは村名レベルで後半はAOCレベル。予想は2500円で実際は2600円。

  
Domaine des Tilleuls Bourgogne Pinot Noir 2010
ドメーヌ・デ・ティユル ブルゴーニュ・ピノ・ノアール 2010 (輸入:ラフィネ)
硬質な平面の香りに薄い果実のソースがのり、ミネラルがパーンと張る香り。味わいはチェリー、黒く平面に薄く強く張るブラックチェリー、酸がはっきりしている。ブドウスープに旨味とチェリーがある。さらに薄いミネラルに軟質のスープをのせた感じ。輪郭全体が柔らかい印象。予想は2300円で実際は2600円。

  
Domaine Newman Cote de Beaune Clos de la Grande Chatelaine Rouge 2010 (輸入:ラフィネ)
(ドメーヌ・ニューマン コート・ド・ボーヌ クロ・ド・ラ・グラン・シャトラン・ルージュ 2010)
果実の甘い香り。もわんとした果実、醤油、土っぽさと酸にミネラルが混じった香り。口に含むとミネラルが張り、そこに酸味が瞬くように光る。クリーンでミネラルが張り、ぶどうスープが共に流れ、余韻までミネラルが続く。とてもミネラルが伸びるのが特徴。予想は3200円で実際は3300円。

  
Domaine Capitain Gagnerot Ladoix Rouge 2009 (輸入:ラフィネ)
(キャピタン・ガニュロ ラドワ・ルージュ)
ミネラルに酸と果実が混じり、ミルキーさもある香り。丸く黒さもある中核は小さく柔らか。味わいは柔らかく緩く、酸味と果実が入り、タンニンが少し多めにある。平べったく全体が柔らかく伸びてくる。クラッシンクで田舎にあるワインっぽい味わい。予想3400円で実際は3600円。

  
Domaine des Tilleuls Gevrey Chambertin Clos Village 2009 (輸入:ラフィネ)
(ドメーヌ・デ・ティユル ジュヴレ・シャンベルタン クロ・ヴィラージュ)
色は濃い目。くすみのある果実に醤油が入った香り。奥に臭みがあるカビ臭のブショネ。味にもブショネが出ている。最近は経験しないブショネらしいブショネ。

  
Domaine Newman Beaune 2009 (輸入:ラフィネ)
(ドメーヌ・ニューマン ボーヌ)
ミネラルにショコラ、薄めの甘さ。ミネラルがぶどうスープにのって水平面にパーンと揚がってくる香り。味わいはぶどうスープに酸味がピリピリとして、スープに少しタンニンがのる。余韻のエッジは丸い。

  
Domaine du Clos Salomon Givry 1er Cru Clos Salomon 2009 que Raffine a importé (輸入:ラフィネ)
(シルヴァン・デュソー ジヴリー・プルミエ・クリュ・クロ・サルモン)
大人しく要素が多くいるが果実が凝縮して少し閉じている。味わいはググっとくるが焦点がぼやけている。ポテンシャルは高いが酸味のエッジが丸い。3700円ぐらいの味わい。

何かおかしいということで比較のためにエスプリデュヴァンが輸入した同じワインを抜栓。
  
Domaine du Clos Salomon Givry 1er Cru Clos Salomon 2009 que Esprit du vin a importé (輸入:エスプリデュヴァン)
(シルヴァン・デュソー ジヴリー・プルミエ・クリュ・クロ・サルモン)
外観が前者と違い赤紫が入った透明感あるが濃い目の色合い。花の香りの要素が多く、アールグレイやオレンジに加えてミネラルが張る香り。口に含むと丸い果実の甘味、クリーミーさでクリアな味わい。スムーズでどこまでも透明感がある。余韻までミネラル、ぶどうスープの焦点がバランスよく合っていて伸びていく。前者の同じ銘柄のボトルとは全くの別物。通常の市場にあるのは前者のボトルだが、この本来の味わいを知らない方はかわいそう。表現できる要素の数や世界観が見えるので当然コメントも沢山書ける。5000円ぐらいの味わい。前者も3700円程度つけているが状態を含めた価格差はもっと大きな差がある。

  
Sebastien Bidault Morey Saint Denis 2009 (輸入:ラフィネ)
(セバスチャン・ビドー モレ・サン・ドニ)
果実の丸い甘さの香り。ショコラもあり丸い香り。スワリングで香り立つがやはり丸い。味は丸く、梅の風味が少し。エッジがかなり丸い。

  
Sebastien Bidault Gevrey Chambertin 2009 (輸入:ラフィネ)
(セバスチャン・ビドー ジュヴレ・シャンベルタン)
黄色い花、丸く甘い香り。草、緑や青さのある香り。舌に柔らかく酸味が入り、樹木が乾燥した風味とエグミがある。

  
Capitain Gagnerot Aloxe Corton 1er cru Moutottes 2005 (輸入:ラフィネ)
(キャピタン・ガニュロ アロース・コルトン プルミエ・クリュ・ムートット)
枝豆の風味で丸さがあり、弱い軟水の舌触り。ミネラルに酸味が経つ。ポテンシャルは高い。

  
Sebastien Bidault Gevrey Chambertin 2008 (輸入:ラフィネ)
(セバスチャン・ビドー シャンボール・ミュジニー)
甘い果実に力強さもある香り。薄いがミネラル多い。後半も薄いがミネラルが張る。予定リストにはなかった1本。

  
Domaine le Sang des Cailloux Vacqueyras Cuvee Azalais 2009 (輸入:ラフィネ)
(ドメーヌ・ド・ル・サン・デ・カイユ ヴァケラス キュベ・アザライス)
フランス田舎ワインの香り。ミネラルが張る。舌にタンニンが多く、そこに酸が入り込む。酸味が発ち、味わいは薄い。

  
Domaine le Sang des Cailloux Vacqueyras Cuvee Lopy 2009 (輸入:ラフィネ)
(ドメーヌ・ド・ル・サン・デ・カイユ ヴァケラス キュベ・ロピィ)
少し臭み。スワリングで力強さがくる。味は丸くタンニンが多く、渋味、苦味がくる。

ここからエスプリデュヴァン輸入ワインで飲み直し。
  
Ramonet Chassagne Montrachet Premier Cru Clos de la Boudriotte 2007 (輸入:エスプリデュヴァン)
(ラモネ サシャーニュ・モンラッシェ 1er クロ・ド・ラ・ブードリオット)
やはり色合いが違う。赤紫で濃い目の色合いなのに透明感が高く美しい。もわんとした丸くいい果実の香りにザラメが入る。ふわんとした横長の丸い空間が立体的にあり、奥にミネラルがあり、酸がグーンと立ち上がる。スワリングで水平にパーンと広がる。口に含むと舌に美しく、鼻にきれいに香りの要素が抜ける。味わいがスムーズに水平に広がり美しい。酸味とミネラル、塩味が立ち澄んでいる。6500円の味わい。

  
Jean Fournier Marsannay Rouge Les Longeroies 2009 (輸入:エスプリデュヴァン)
(ジャン・フルニエ マルサネ・レ・ロンジェロア)
草原の香り。ミネラルのぶどうスープと塩が張る。口に含むと澄んでいてスムーズに流れ、口の中で華やかに花が香る。澄んでタンニンも入るが美しい。ぶどうスープの旨味。パーンと張っている。おいしい。味わいは4200円で実際は3500円。

  
Cordier Pere et Fils Macon Aux Bois D'Allier 2010 (輸入:エスプリデュヴァン)
(コルディエ マコン)
美しい。きれいなライム、ミネラル。味わいもミネラル、果実のフレッシュさ、フレッシュな柑橘果実、グレープフルーツやライムなどがスムーズで、柑橘果実の旨味もある。

  
トマトとクリームの2種類パスタ。

  
持ち込んだ治一郎さんのラスク3種類。色合いがきれいで木苺、抹茶、蜜柑の香りと味わいがはっきりしている。お土産におススメの一品。右は炊飯器で作られたというショコラケーキ。炊飯器で出るというのがおもしろい。

最後に追加でデザートワイン。
  
  
Egon Muller Scharzhofberger Kabinet 2007 (輸入:石橋コレクション)
(エゴン・ミュラー シャルツホフベルガー・カビネット)
凝縮した香り。灯油やオイルがあり、要素が沢山詰まっている。口に含むと酸味がきれいにピリピリ、ピカピカ光る。美しい。

  
  
本日も19本と沢山飲ませていただきました。ご馳走様でした。
やはり状態がよいものは全く違う。状態がよいワインの外観は濃いが透明感が高く、モヤがかかったところが全くない。香りも透明感があり、花や果実の香りがきれいに発つ。味わいも透明感があり、余韻までスムーズに流れていく。ラフィネさんのワインにはよい印象を持っていたのに残念。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休