2012年8月14日火曜日

新着ボルドーのお試し会 @平野弥

  
  
ワイン専門平野弥さん主催の新着ボルドーのお試し会。勉強会ではないので本日は食事もしながら銘柄もオープンな状態。

  
Fasoli Gino La Carte del Pozzo Prosecco 2011(ファゾーリ・ジーノ プロセッコ ラ・コルテ・デル・ポッツォ) @Italia
プロセッコの味でさっぱりしている。

 

  
Trevisiol Valdobbiadene Prosecco Superiore Extra Dry(トレヴィジオール スプマンテ・プロセッコ・ディ・ヴァルドッビアデーネ)
オレンジピールの香り、吟醸香。舌にさっぱりで、口に果実の苦味がある。エチケットが違うので気が付かなかったが、デイリーでおいしいBrutのExtra版だった。これよりBrutの方が好みだが、前のファゾーリより味わいは格上。

  

  
・Ulysse Collin Champagne Blanc de Blancs Extra Brut Les Pierrieres 2008(ユリス・コラン ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュット・レ・ピエリエール)
最近のお気に入りのシャンパン。舌に刺激がなく繊細。スーッと伸びていく。ちょっと前にも飲んでいるので詳細は省略。

  
Château de Reignac 2009(シャトー・ド・レニャック) @A.O.C.Bordeaux Superieur
赤い花や三温糖甘さの核を持つ香り。スワリングするとふわーっとミルキーさ、果実のコク、黒蜜、若草、御香などが香る。口に含むと果実の濃さはあるのに舌にはさらりとして澄んでいる味わい。果実の苦味が少し多めで黒い味が果実味の奥にツーっと後半から余韻に続く。果実味が豊富だが甘ったるいのではなく、エキスを抽出した感じでもない。果実の酸味とのバランスもいい。おいしい。これで3000円?は安い。

  
Château de Reignac Grand vin de Reignac 2007(シャトー・ド・レニャック グラン・ヴァン) @A.O.C.Bordeaux Superieur
杉と少しの檜が入った澄んだ香り。スワリングでグーっと奥から深みのある赤果実に胡椒など少しのスパイスが添う。グーっと吸い込まれる感じ。御香も少しある。口に含むと舌にやさしく旨味があり、杉のきれいな膜を持ち、口奥には丸い果実の核がある。舌にはズーンとする圧力がありつつ、肌理が細かく、水のように流れていく。現状は樽の成分がやや強めだが透明感があり、後半から余韻では舌にすっきりして旨味が残る。前者と比べると明らかな格上で、いつもながらさずがの味わい。状態がよいボルドーの凄さを知ってもらうのにお勧めできる1本。これで4000円?は安い。

  

  
・Château La Fleur de Plince 2004(シャトー・ラ・フルール・ド・プランス) @A.O.C.Pomerol
雲のように漂う赤黒果実の香り。中心に明るさと柔らかい果実がポワポワとしている。スワリングでミルキーさをまとい、明るいが黒果実が芯にある美しい香りになる。口に含むと水のような舌触りで乳酸香が鼻に抜ける。赤果実の酸味がきれいにあり、途中でピカッと光る。近代的な造りの印象を受け、そのためか頑張っている安いワインにもスタイルの共通性を感じる。6000円というのは妥当な価格。

  
Château Tour Maillet 2005(シャトー・トゥール・マイエ) @A.O.C.Pomerol
甘く雲のような果実でパーっと澄んだ感じが広がる香り。杉が縦に立つ。スワリングするとスーっとしてクリーミーさも出る。口に含むと舌先が酸味で少しピリピリする。ボリュームが流動しながらグーンと伸びていき、その表面の全面でピカピカ光る。口の中央空間内に存在感あるエネルギーのようなものが滞在し、ずーっと同じ場所にいる。タンニンは多いが細かく、酸の質がきれい。酸味と果実味がバランスよく、ジーン、グーンと訴えてくる。おいしい。5000円+αだそうです。

  
 

  
・Château Balestard 2002(シャトー・バレスタール) @A.O.C.Bordeaux
やさしいふんわりした果実、少しスーッとし、2cmぐらいの小さい球のある香り。口に含むと舌に澄んでいるが強さ、酸味、果実が澄んだ状態で訴えてくる。旨味があり、中盤から後半にかけて果実の苦味が出てくる。時間が経つとふぁーっと花と果実が睡蓮のような形で華やかに広がり、グーンっと訴えてくる。舌には軽くスーっと流れ、奥から核が出てくる。3800円ぐらいだそうで、価格+αの味わい。

  
・Heritage de Thieuley 2000(エリタージュ・ド・ティーユレ) @A.O.C.Bordeaux
杉、スワリングで杉、果実、クリーミーさ、塩、スナック、スパイスなどからカレースナックのようなものも香る。核があって芯もあり、そこから香りの要素がツーっと出てくる。口に含むと舌に薄いが果実の酸味が立ち、旨味があり、薄い葡萄スープとタンニンに感じ、タンニンは多いが澄んでいる。アタックにタンニンが多くくる。全体として薄い印象も受ける。テクニカルな味わい。こちらは3500円。

  
Château Tour Maillet 2000(シャトー・トゥール・マイエ) @A.O.C.Pomerol
甘い香り。黒砂糖、三温糖、クリーミーさ、果実、キウイフルーツなどが香る。口に含むと舌先に少し酸味がピリピリとするがやさしい。鼻に果実のいい香りが抜けていく。空間内で十字形状にピカンと果実の酸味が光り、タンニンが丸みを帯びたコの字状になって口手前側から進み、そのコの字の中から口奥に向かって果実の酸味がスーっと伸びていく。2005年と同じスタイルで2000年の方が濃く感じるが、よりおいしく思うのは2005年。こちらも5000円+α。

  
  
Château Le Gay 1995(シャトー・ル・ゲ) @A.O.C.Pomerol
ライム、絵具、柑橘のオイル、落ち着いた感じ、明るく、スーっとして奥にほわほわした和三盆の香り。口に含むと酸味が強く、でも柔らかく、梅の風味があり、薄い印象を受けるが後半にグーっとくる。こちらは1万円+α。

  
・Domaine Tollot-Beaut Savigny-Lavieres 1er Cru 2009 - Magnum(トロ・ボー サヴィニー・ラヴィエール)
梅、ジーンとする香り。スワリングでふわんと膨らみ、ジーンという深みがあり、ローズヒップなどが香り、黄色い小さい花が核としてあり、酸の澄んだスーっとする感じと絵具のようなコクも香る。口に含むと赤果実の高いトーンの酸味が上側凸のアーチを描きながらクーンとくる。酸味がキラキラしながら余韻まで続く。きれいな味わいで余韻に強くないがグーっと伸びる風味が続く。ほわんとしたドーム状の膜の奥に味わいの核がある。これと比較すると、グラスに残しておいたシャトー・トゥール・マイエ 2005が薄く感じる。この味わいマグナムで11000円は安い。残念ながらこのボトルが最後でもう在庫がないそうです。

  
ここでお開き。本日のラインナップ・・のはずだったが、片付けの後に残った人でもう1本飲むことになった。

  
・Domaine Ramonet Chassagne Montrachet 1er Cru Clos de la Boudriotte 2007(ドメーヌ・ラモネ シャサーニュ・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・ブードリオット)
黒さがあり、コールタールを感じる香り。スワリングでパーンと酸とミネラルが張りながら広がる。梅、木の実の美しさがあり、香水の香りも出てきて、澄んだ雰囲気が迫ってくる。口に含むと赤果実の酸味が鼻腔に向かって進む。舌にビーン、ジーンと長く続き、木の実の果実が流れていく。そうしながらもグーンと力強く訴えてくる。明るく高いトーン。ラモネは白が有名だが赤もおいしく、この洗練された味わいが6000円台は安め。

本日もおいしいワイン、料理ありがとうございました。料理は持ち寄りで調整してないのにうまい具合に分かれ、量も多くてかなりお腹いっぱいになった。皆さんありがとうございました。
ボルドーは濃いめで果実味が豊富だが、これだけ連続して飲んでも状態がよいので疲れない。好みだとコストパフォーマンスではシャトー・ド・レニャックのグラン・ヴァンが一番、価格を抜きにするとシャトー・トゥール・マイエ2005が一番だった。

また、あまりきちんとボルドーを連続して比較したことはなかったので気にしてなかったが、本日のボルドーとブルゴーニュそれぞれに対する見えた共通の景色を感じられたのはおもしろかった。本日のボルドーで熟成したものを除くと、エネルギーや溢れ出るみなぎる力のようなものを感じ、その周囲は夜に間接照明で小さく照らしているかのように暗がりに思える。それに対してブルゴーニュは溢れ出る力ではなく、歩いているときに爪先を床にグっと止めたときのような貯めた核になるエネルギーがあり、周囲は明るく水平線まで見通せる空間の広さを感じた。

ワイン専門平野弥
横浜市都筑区荏田南町4212-1 045-915-6767 13:00-19:00 月火休