2009年4月19日日曜日

不二才 之にて三年 と 醅(はい) 飲み比べ

蔵元 佐多宗二商店
銘柄 之にて三年 不二才 (2100/1000ml)
    不二才 醅(はい) (3400/1800ml)



テイスティングノート
・之にて三年 不二才
  やはり不二才とはっきり分かる香りで、洗練された芋らしい香りと、ほのかに芋の甘くやさしい
  香りがぶわっと立ち昇ったあとに、ハッカのようにスーッとしたものが横に広がり、氷砂糖のような
  甘み成分が下支えをする香り。
  粘度は少し高めで液体はねっとり舌に着き、少し舌にピリピリ感を与えた後に柔らかく立体的に
  膨らんでいく。 氷砂糖の甘味が旨みとなってジワージワーっとやさしく上顎に味と香りが立ち
  昇っていく。

・不二才 醅(はい)
  之にて三年と同じ傾向の香りだが、洗練というよりもっと複雑で柔らかく膨らみのある香り。
  ほんの少し甘味ののったバナナの香りもあり、穀物のニュアンスもある。
  粘度もより高く、舌へのピリピリ感の前に色々な甘味が膨らみ、ピリピリ感はより高い。
  甘味と旨みが複雑に絡んだ状態で、刺激的に発つが、着地は非常にやさしい。
  之にて三年が上顎に来るのに対して、こちらは鼻腔まで一気に突き抜ける。

評価
樹木で表現すると、スタンダードの不二才は太くしっかりした幹があり、その左右に1本ずつ枝が
出ているが樹皮はツルンとしたもの。
之にて三年は、スタンダードを2周り大きくし、左右に出た枝の数が増え、さらにそれらの枝からも
細かい枝が出たもの。
醅(はい)は、スタンダードを3周り大きくし、枝からは葉が幾重も重なって出ており、樹皮も複雑に
なり、風格のある樹木のよう。

ここまでくると好みの世界でもあるが、常備している不二才 醅(はい)が複雑で刺激的なのに
やさしいところが非常においしく好み。