2010年6月25日金曜日

ブルゴーニュの銘譲白ワインを楽しむ会 エチエンヌ・ソゼのシュヴァリエ・モンラシェ

ワイン会 ブルゴーニュの銘譲白ワインを楽しむ会
テーマ  エチエンヌ・ソゼのシュヴァリエ・モンラシェ
主催   Le Club de l'Esprit du Vin (ル・クラブ・ド・エスプリデュヴァン) @Vin et cuisine A.k.


ワインを楽しむ人々のためのクラブ Le Club de l'Esprit du Vin (ル・クラブ・ド・エスプリデュヴァン)
として第一回目のワイン会。場所はいつも通り、A.k.さん。


先月開催された「ドメーヌ・コルディエの醸造家Christophe Labruyére氏をお招きして」の会で飲んだ
エチケットにサインしてもらったものが店長の頭にのっている。
そしていつものようにメニューなどセッティング。今回は14名ということで、テーブルが2塊。


・Alfred Gratien(アルフレッド・グラシアン)
 Champagne NV Brut Blanc de Blancs(シャンパーニュ ブリュット ブラン・ド・ブラン)
 深みある中低域の香りで、甘さと少しの薬草っぽさがオロナミンCを思わせる。口に含むときめ細かい泡が
 あるが舌や口内には柔らかく、甘味も柔らかく、縁もほわっとして、後半に苦味がくる。
 温度によるものかもしれないが、以前よりもかなり柔らかく、優しい味わいになっている。

・前菜 マリネとマグロ 
 この組み合わせで何度かいただいているが、今回はイタリアンパセリの苦味がパッと鮮烈に広がり
 シャンパンと同様に口内をすっきりさせる。


・Cordier Pere et Fils (コルディエ・ペール・エ・フィス)
 2009 Macon Aux Bois d'Allier(マコン・オー・ボワ・ダリエ)
 柑橘系、少しのカリン、芳香剤のような芳香。甘味が前にいて静かな平面に苦味がぽっと出てくる。
 グレープフルーツの甘皮の苦味で、少し時間が経つと酸が前面に出てくる。

・Cordier Pere et Fils (コルディエ・ペール・エ・フィス)
 2009 Bourgogne BlancJean De La Vigne(ブルゴーニュ・ブラン・ジャン・ド・ラ・ヴィーニュ)
 香りはマコンとにているが芳香剤の成分がなく、比較すると大人しい。5mmぐらいの薄い層が平面に
 広がるような酸は、薄く、硬質だが、ピンと張り詰めた感じではなく、近づきやすい風味。
 ミネラルを伴ったきれいな澄んだ酸や味わいのバランスは本格派。

先日の勉強会でも同じ比較を行ったが、やはり酸の質が異なり、マコンは果実系、ミネラル系と異なる。
マコンの香りの印象はシャルドネではなく、ケルナーやGWなどドイツ系品種を思わせる。
グラスが違うせいかもしれないが、勉強会より香りは開いている。


・鰯マリネのタルト
 ナイフを入れるとタルト部分がぱらぱらと崩れるので、そのままガブッと食べたほうがよさそう。
 マリネされた鰯の酸味、鰯の魚肉の甘味、タルト生地のバター風味。
 マコンと合わせると青魚の臭みが少し立つ。ACブルの方が合っている。


・帆立とホウボウのムニエル
 柔らかく優しい味付けで、レッドペッパーが利いている。
 どの白ワインにも無難に合う。


・Henri Boillot(アンリ・ボワイヨ)
 2004 Meursault Poruzots(ムルソー・プルミエ・クリュ・ポリュゾ)
 もったりした柑橘系果実の香りで、もやもやした香りがドーヴネっぽい印象も受ける。
 舌にのらずにふわふわと柑橘系の味が上あごと舌から5mmぐらいのところに浮いて面を張る。
 舌奥に深みのある苦味がじーんとする。余韻にシェリーっぽいニュアンスがある。

・シュークルートのタルトフランベ
 キャベツの酢の物、ウインナー、チーズで作られている。


・Simon BIZE(シモン・ビーズ)
 2002 Puligny Montrachet 1er Cru La Garenne(ピュリニー・モンラッシェ・ラ・ガレンヌ)
 以前に平野さんが現地から持ち帰ったもの。そのため、瓶にはエチケットはついてない。
 ソゼにいた人が醸造したもの。(ギョウムさん?)
 シャルドネが熟成したときの香りや味わい。樽の風味の後に、酸がパーンと広く開ける。
 スイーツの甘い香り、フルーツ、クリーム、紅茶、ハーブ、蜜、茶色い粉をイメージさせる香りで
 フルーツ入りの生クリームケーキを想像させる。 舌にとろとろで、ねっとりした舌触り。
 香りが特徴的で、顔面下で漏斗(ろうと)の形で深い溝に落ち込んでいくような印象。
 香り、味ともにやや熟成が早く進んでいる感じ。


・Etienne SAUZET(エティエンヌ・ソゼ)
 2003 Chevalier Montrachet(シュヴァリエ・モンラッシェ)
 繊細で華やかで、複雑な香り。トロピカルフルーツが前面に出て、甘い香り、深みが15cm奥に核がある。
 飲んでみると蜜の香りがグーンと伸び、鼻奥でグィーンと膨らむ。時間が経つとグリーンガムの香りも出る。
 1本目は3時間前に抜栓したもので、2本目は30分前に抜栓したもの。
 2本目は酸と苦味が前面に出て、時間が経つにつれてショコラやブランデー、深みのある甘い香りが膨らむ。
 中低域の中に柑橘系の高いトーンもあり、酸に深みがある。そして苦味がジーンと伸びる。
 共に、ジュヴレ・シャンベルタンやサントネイの赤ワインに共通する味わいがあり、静寂な泉に色々な
 要素が沸々と湧き出る様は、相反する要素が同時に共存するドーヴネに共通する味わい。


・鶏のカリカリ揚げ
 表面の皮はパリパリで香ばしく、中の鶏肉部分はさっぱりしている。
 ルグリア産のオリーブがついており、これとソゼのシュヴァリエの熟成感や余韻の風味に近い味わい。
 このオリーブを食べている状態でシュヴァリエを飲むと、多数の手を持つヒトデの先端からぼっと黄色い
 火が灯る、または漫画ドラゴンボールで悟空がスーパーサイヤ人になるかのようなブォっと燃えるように
 味わいに急激な膨らみが得られる。
 オリーブの中でもこのルグリア産に共通性があり、ムルソーの白ワインで漬けて鶏肉を焼いたものと肉汁
 をいっしょに入れて作られたもの。ソゼと合わせた後半にはブランデーの風味も感じる。
 また、日本の地鶏はさっぱりしているので、玉葱を加えることでフランスの地鶏に近づけるというシェフ
 のテクニック。


・マンゴーのシャーベット
 トロピカル系の奥に甘い香り。味はマンゴーがストレート。甘味も強く、酸味もある。



本日もおいしいワインを沢山飲めました。ご馳走様でした。
やはり、本日のメインであるソゼのシュヴァリエ・モンラッシェが一番だったが、とても普通には飲めない
価格で、このようなワイン会はありがたい。好みでいくと、2番目はコルディエのACブルが安くておいしい。